みちくさおじさん山を歩く

No371 鳥取大山・崩壊続くキリン峠

キリン峠(1405m)? 鳥取県大山町 2014・11・24(月・祭) 天気・晴れ メンバー・2人
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大山にキリン峠?山友に尋ねても???で、ほとんど知られていない地名のようです。
かっては鳥越峠からキリン峠に登り、荒々しい東壁を右に槍尾根を経て槍ケ峰から大山縦走路に達していた登山道です。
しかし年々崩壊が激しくなり、一般登山道は消滅、それでも勇気ある登山者によってキリン峠~槍ケ峰~剣ケ峰~天狗ケ峰を縦走、振子沢~駒鳥小屋のルートはそれなりに歩かれています。

現在キリン峠までは結構登山者もあり、圧倒される南壁を目の当りにするだけでも十分価値があるルートだと、思います。

私は2~3回途中まで歩いた記億が残っていますが、調べてみると2003年に登った記録だけ残っています。
そこで今日はキリン峠の現状を確かめに、ワクワクしながら出発です。

7:30自宅を出発、R29を山崎ICまで走り、中国道から米子道を北へ。いつも鳥居トンネルに入ると、今日は見えるかなと 期待を胸にトンネルを出ます。見えました、少し霞んでいますが快晴です。
それじゃあ1枚撮っておくか、と蒜山SAへ。

左から大山・烏ケ山・擬宝珠山、右は上蒜山。
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大山へは米子道の溝口で降りるか、蒜山で降り県道114の蒜山大山スカイライン経由で走るかのどちらかですが、スカイライン経由で鬼女台の展望台からの大山・カラスの展望を楽しむ後者の方をよく走ります。

しかし今日はR482の伯耆街道を西へ走り、岡山・鳥取県境の内海乢からの下りのヘアピンカーブに新しいバイパスが完成しているので、走り初めをします。国道に限らず、道路フアンにとって新しい道ができるとついつい走りたくなります。

バイパスからの展望。下は旧R482。大山と烏ケ山をこの方向から見るのは始めてで、とっても新鮮です。手前の尾根は紅葉真っ盛りです。
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内海峠から直線で坂を下り、大きく左カーブを終えた地点で大山広域農道に入ります。農道と言っても下手な国道より道幅も広く、車も少なくて快適に走られます。
広域農道からの大山と烏ケ山。写真で見る限り、大山よりカラスの方が魅力的ですね。
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5分も走ると県道114から続く県道45に入ります。このルートの方が114経由より時間・距離とも短縮できるようです。
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さらに10分ほど走ると,奥大山保険保安林の看板の立つ駐車場に着きます。すでに多くの車が停まっています。
時刻は9:30、自宅からゆっくり走って2時間かかりました。
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9:50単独の男性から少し遅れて出発します。少しは残っているかなと思った紅葉ですが、やはり遅いですね。
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ほぼ直線の緩い登りの登山道。このコースは訪れる人も少なく、紅葉のスポットだそうです。
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ベンチも設置されています。
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40分ほど歩くと前方に通行止めのロープが張られ、小さな札がぶら下がっています(みどりの矢印)。近ずくと左文殊越と書かれています。右方向にも踏み跡がありますが、迷わず左に進みます。
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5分足らずで文殊越です。朽ちて文字の判読が困難な道標をよく見ると、右が鳥越峠で左が三の沢1.0kmのようです。クギが外れ上下逆さまになっており、誰かがポールの下の方に、ここは文殊越で左鳥越峠、右文殊堂Pと三の沢方面と書かれたマジックの文字が読めます。
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はてな?鳥越峠へはどちらに進むのだろう、と瞬間迷います。地形図では文殊越が三差路になっており、右が鳥越峠で左が文殊谷方面ですが、ここは三差路ではありません。またポールの鳥越峠への文字は今登ってきた方向を指しています。

地形図をよ~く見直して・・・勘違いしている事に気づきました。三差路を文殊越と勝手に思いこんでいたのですが、文殊越えは三差路から少し文殊谷の方に登った位置になります。
直進通行止めのロープの所が三差路で、右方向にも踏み跡があった事を思い出しました。左文殊越、だけでなく、右鳥越峠の道標があれば間違わないのに・・・すべて道標のせいにしてバックします。

三差路に戻ってきましたが、やはりこの道標しかありません。
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右の踏み跡に入ります。林の中でほとんど展望はありませんが、右側の樹間からチラリと烏ケ山が覗きます。
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倒れた道標のポールと木片。
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鳥越峠の文字が読めます。登山者が入らなくなったので、道標の整備は今後もされないでしょう。
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ほぼ等高線沿いのゆったりした道も、峠が近ずくにつれ傾斜がきつくなってきました。
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11:15鳥越峠です。
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直進すると約200m下った地獄谷に駒鳥小屋があり、右は烏ケ山で左はキリン峠経由大山に至る登山道で、昔は重要な峠でした。烏ケ山へは、2000年(平成12年)に鳥取西部を震源とするM7.3の鳥取西部地震で登山道の一部が崩壊、登山禁止になり、ここに金網のフエンスが張られました。

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あれから14年、すでにフエンスはなくなり自己責任で自由に行き来できるようですが、訪れる人が少ないので、登山道はこの通りです。しかし問題なくカラスまで登れるそうです。
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キリン峠に向かいます。登山道脇にイワカガミが群生しています。
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予想外に歩きやすい道です。
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地形図の標高点1405mに着くと、思わずスゴイ!と叫んでしまいました。大山東壁です。すごい迫力です。右端の槍ケ峰の穂先がかわいいです。
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白いポールの道標が寂しげにポツンと立っています。風雨にさらされ、文字は読めませんが、何と書いてあったのでしょうか。古い地図やガイドブックは1405mのここがキリン峠になっていますが、最近の地形図はもっと上の方1550mあたりになっています。正確なキリン峠はどこ~
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しばらく南壁に見とれていましたが、ここから先をどうするか相棒さんと相談です。もっと上まで登るか、ここでお昼にして下山するか・・・結論はもう少し登る事にしました。やがて灌木地帯から草付に変わり、傾斜もきつくなってきました。
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アップにしてみると白いポール(矢印)が見えます。登山道があった頃の道標ですが、もしかしてあれがキリン峠??
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相棒さんはもうこのあたりで引き返そう、これ以上は怖い・・・とおっしゃいます。それじゃ展望のいいところで食事をしようと適当な所を探します。しかし傾斜がきつく、その上冷たい風が強いので落ちつけません。
遠くに左甲ケ山・右矢筈ケ山が見えます。
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食事が終わりましたが、このまま帰るのはもったいないような気がしてきました。そこであと少し行けるところまで挑戦しよう、と相棒さんに言いますが、私は怖いのでここで待っている、とおっしゃいます。それじゃすぐ戻ってくるから、とザックを下ろし身軽になって挑戦します。
振り返ると、カラスが天を突くように聳えています。
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傾斜はますます度を増してきました。
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ついに草付の終点に着きました。道らしきものはここまでです。かってはこの先槍ケ峰を経て主稜縦走路まで
つながっていましたが、崩壊が激しく、まず歩けるのはここまでになってしまいました。

ちなみに主稜縦走路というのは、夏道~弥山~剣ケ峰~天狗ケ峰~ユートピア~元谷に下るルートで、過去何回か縦走しましたが、崩壊激しく、現在は縦走できません。
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ポールまでは無理としてもあと少し・・・・と足場を探します。左にトラーバスし、わずかな草付斜面あたりを登ってみます。しかし足場はもろく、小石が谷底に消えていきます。白いポールを目指しますが・・・

こりゃ大変な所にきてしまったぞ!立ち止まってそ~と下をみます。登っても下る時が命がけです。
大丈夫?下の方から相棒さんの声が斜面をかけ登ってきます。こりゃ年寄りが登るところではないや、と諦め、撤退します。

やっと草付に生還です。ヤレヤレ・・・白いポールは白い雲と一体になッてしまいました。
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キリン沢です。
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文殊谷。
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相棒さんと合流、下山します。タイムの記録をすっかりわすれていました。13:20鳥越峠を通過。
ちょうど1時間で駐車場に戻ってきました。
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鳥取西部地震後も南側の新小屋峠から烏ケ山には登っていますが、次回は鳥越峠から登ってみましょう。またキリン峠から、あの草つきあたりは夏は一面見事なお花畑になるそうなので、カラスと併せて登って見ようと思います。

下山後の温泉ですが、いつもは(やつか温泉快湯館)に入りますが、今日は鏡ケ成の休暇村奥大山(もと大山鏡ケ成国民休暇村)の温泉に入ります。ここは一般の日帰り温泉でなく宿泊者用の温泉になるので、13時から。シーズン中は登山者も多いのですが、紅葉シーズンも終わり、私一人だけの貸し切りです。大浴場のみで¥500。
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13年前はどこまで登ったのか、全く記憶がありません。それにしても直近で見る南壁には圧倒されます。
草付終点までは登られますので、お花畑が見頃の夏が最適でしょうね。


[今日のデーター]

姫路自宅7:30⇒R29山崎IC(中国道)蒜山IC⇒R482⇒大山広域農道⇒県道45⇒奥大山保険保安林駐車場9:30

出発9:50→文殊越10:35~10:40→鳥越峠13:20→標高点1405m 11:50~12:00→(昼食12:15~12:35)→草付き終点12:50→鳥越峠13:20→駐車場14:20

出発14:30→県道45→休暇村奥大山14:45~15:30→県道114→蒜山IC(米子道・中国道)山崎IC
→R29→自宅17:40

(走行距離 約340キロ  歩行距離 約6.5キロ  累積標高差 約720m)

by hotaka443 | 2014-12-17 21:49 | Comments(0)