No343 奈良 明神平~明神岳 薊岳は断念

心配していた雨も上がり、始めての明神~薊を楽しみにしておられるAさんと5:30出発、私は昨年7月以来になります。
阪神高速・阪和道・南阪奈道を乗り継ぎ、R165・R166・県道219・R166・県道16、そして県道220をゲートのある終点まで入ります。
この県道220は途中のどこかで大又林道になるものと思っていましたが、地理院地図(新版)によると、最終ゲートまで県道220になっています。
ところで七滝八壺を過ぎてからだったか、正確な場所は記憶していませんが、なんと通行止めの標示があるではありませんか。

ここまで来て通行止めなんて殺生な・・・どうするか思案しながらよく見ると、通行止め看板の右側から回り込むと、向こうに入れそうです。
それに看板には日時も何も書いてないので工事はやっていないかも知れないし、かなり奥まで入ってきているので、仮に工事中ならそこから歩いてもいい、よ~し、ここは突破だ。
どんどん走ると、ライトバンが停まっており、二人で作業をされています。やはり工事中でした。下りてみると路肩が少し崩れており、修復工事をされていますが、場所的には車の走行にはあまり影響のない道路端にあたります。
これなら通れそうなので丁寧に通行許可をお願いをしますが「通行止めの看板を出していたやろう、4時まではダメや!」
はるばる姫路から来たのに,今さら帰られない・・・と泣き落し戦術に出ますが「姫路だろうがアメリカだろうが、ダメなものはダメ」の一点張りです。
じゃこのあたりに停めてここから歩くか、と相棒さんと話していると、今まで黙っていたもう一人の方がOKの許可を出して下さいました。この人が親方のようです。
ダメ一点張りだったおじさん「工事は4時まで、それまでは通られへんで~」の声に送られて、出発!
やがて広い駐車場に着きますが車はありません。
駐車場の先にはゲート(昨年の写真)があり、車はここまで。この先登山口の最終ゲートまでの6~700mは歩きになります。

マナー違反になりますが、ゲート横を通って最終ゲートまで入ります。ここには3台程度の駐車が可で、県道220もここで終わりです。時刻は8:30になりました。
黄色の看板には(これより先は道路交通法の適用を受けない道路で、一般車両の進入は禁止されています)とあります。
つまりここまでは県道なので通行できますが、ターンの余裕がないので下の駐車場を利用して下さい、ということでしょう。登山届を出して8:40出発します。

しばらくは苦手な舗装林道をゆっくり登ります。20分ほどで林道終点に着きました。

明神谷沿いの道を登って行くと、右岸から左岸へ渡渉します。

せっかくと渡渉したのに、また渡渉で再び右岸に戻ります。

倒壊したあしび山荘が、醜い姿をさらけ出しています

左岸右岸へと渡渉を繰り返します。水が少ないので安心ですが、雨後の水流の多い時は要注意ですね。


前方に明神滝が見えてきました。


沢から離れた高巻きの道になりますが、一部が崩れ木橋が架けられています。


しばらくすると青々とした緑の元気のいい植物の群生地に出ました。小さな紫色の花をつけています。

帰って調べてみるとハシリドコロでした。

群生地を抜けると再び沢に出ました。崩れた旧道の橋を横目に渡渉します。ここが最後の渡渉です。

渡渉を終えると次はコバイケソウの大群生地です。花をつけるころは見事でしょうね。

まだ冬枯れの中の道を高度を上げます。上の方はガスです。

埋め込まれたパイプが5本。夏にはありがたい水場を通過します。

水場より10分ほど登ると明神平に飛び出しましたが、あたり一面まっ白なガスの世界、あしび山荘もガスの中に沈んでいます。

あしび山荘は大阪天王寺高校所有の山小屋で、一般開放されていないので、小屋の横で小休止します。時刻は10:30。気温7℃寒いです。このあたりから見える薊岳も、深いガスで視界が効きません。ふと不安が頭をよぎります。

じっとしていると寒いので10分ほどで出発。深いガスの中を三ツ塚分岐に向かいますが、いつも持ってくる地形図とコンパスを忘れてきたので、ガスの中をキョロキョロ。このあたりは迷いやすい地形です。
踏み跡を頼りに歩きますが、ある地点まで来て はてな?三ツ塚分岐まで時間がかかり過ぎているし、薊岳に向かう道とはどうも様子が違います。相変わらず周りはガスで何も見えません。
薊岳には過去5回ほど来ていますが、詳しく地形を把握しているわけでもなく、しかも好天時ばかりなので、ガスにまかれるとお手上げです。
仕切り直しで明神平あたりまで戻り、再度挑戦です。踏跡は交錯していますが、別の踏み跡に入って見ます。
以前撮った写真の三ツ塚分岐の道標を探しますが・・・

視界のないガスの中、むやみに歩きまわると危険です。相棒さんがコンパスを持っていましたのでお借りしますが、地形図がないと役に立ちません。
ただ進んでいる方向が記憶している薊岳の方向と違っています。どうするか思案しながら歩いていると桧塚方面の道標に出ました。
薊岳は明神平からは西方向になりますが、桧塚は南に向かい、明神岳に登ってからから東に向かいます。
これで位置関係がわかりましたが、全く方向違いの所を歩いていました。
明神岳はまだ登ったことがないので、ここまで来たのですから明神岳に登りターンしましょう。
快適な道の前方にピークらしき所が見えてきました。

頂上らしくない明神岳山頂です。それでも1432mは台高山脈北部の最高峰です。時刻は11:20になっています。道標にタッチしてUターンしましょう。

明神平近くまで降りてくると、ベッタリと張り付いていとガスに切れ間が出てきました。

薊岳にまだ未練が残っており再びウロウロ、明神岩の前の踏跡に入ります。ガスが切れたので前方の視界が広がってきました。すると記憶が甦ってきました。前方は前山で、三ツ塚をカットして薊に行く道です。
どうするか・・・時刻は12:10。まずは風の当らない岩陰で腹ごしらえをしましょう。少しずつガスは薄くなってきました。
昨日の雨の余韻で、下界は晴れていましたが山はどうしても回復が遅れます。
落ちついていると、戦闘意欲が薄らいできました。ここから薊を往復して駐車場に戻ると16時頃になりそうです。せっかく楽しみにされている相棒さんには悪いけれど私のミス。今日はいさぎよく撤退、また美しい紅葉の季節にでも出直しましょう。
12:35下山開始です。明神平まで降りてくると、すぐ北の水無山がガスの切れ間からのぞきます。明神平から少し下った頃、ようやく樹間から薊岳が覗きました。空も完全に晴れてきたようです。

13:35 駐車地点に戻ってきました。今日は登山者ゼロでした。
13:40スタートします。今まで忘れていたあの工事現場のおじさが頭に浮かんできました。帰りはしきりに4時以降を強調、それまでは通れない、言っておられましたが、いざとなれば泣きつくしかありません。
ところが、鉄板を敷いた工事現場を通過しますが、人の姿は見えません。本日の工事は終わったのでしょうか?ヤレヤレです。
今日は火曜日、道沿いに「やはた温泉」がありますが定休日です。大宇蛇まで戻り「あきののゆ」でのんびり湯につかります。
休日はよく混みますが、今日はガランとしています。

Aさんには申し訳なく、なんとなく後味の悪い山行になりましたが、18:50自宅に帰ってきました。
出発したばかりの今朝9時の天気図です。まだ弱いですが西から高気圧が張り出し、低気圧は東に去りつつあります。しかしまだ前線が列島南に延びており、地上の天気は回復していますが、山は回復が少し遅れているようです。このあと天気は急速に回復に向かいました。

[本日のデーター]
自宅5:30⇒姫路・加古川BP⇒第二神明・阪神・阪和・南阪和⇒R165・166⇒県道219⇒R166⇒県道16・220終点ゲートまで8:30
出発8:40→明神滝9:45→水場10:20→明神平10:30~10:40(途中迷走)明神岳11:20→明神岩12:10~12:35→明神平12:40→駐車地点13:35
出発13:40⇒往路ピストン⇒(あきののゆ14:35~15:20)⇒自宅18:50
(走行距離 約 395キロ 歩行距離 約 8キロ 累積標高差 約 780m)

