No313 加越国境・赤兎山から大長山ピストン
経ケ岳から30分あまり走った所の、荒島岳の登山者がよく利用する民宿に昨夜はお世話になりました。
6月に来た時もお世話になりましたが、安いうえに食べきれないほどの豪華な夕食が食卓を飾り、これで5500円?と驚きです。 しかもお昼のおにぎり付きですから・・・
夕食と朝食。
民宿の窓から見る小さな勝原集落。昔は数軒の民宿がありましたが、スキー場の閉鎖などで廃業、今はこの一軒のみだそうです。画面中央の白い欄干の小さな橋の下は、福井と九頭竜湖駅を結ぶJR越美北線が走っています。
すぐ傍にある勝原(かどはら)駅。JRで荒島岳に登られる人はこの駅を利用されます。無人駅で一日上下合わせて10本という、ローカル線で、駅舎は手前の小さな平屋の建物です。
6時から朝食をいただき、6:40民宿を後にします。
今日は赤兎山と大長山(おおちょうざん)の予定です。私は赤兎はもう何度も訪れていますので、大長山に期待して出発します。R158からR157に入り、途中のコンビニで買い物がてらにコーヒータイムをとり、北進します。
道路のはるか下を流れる滝谷川を赤い鉄橋で渡り、大きく左にカーブを切る地点に左へ大長、赤兎方面と書かれた看板があります。ここから小原林道に入りますが、集落外れにゲートがあり、一人300円が徴収されます。
ここにゲートが設けられたのは7~8年くらい前で、以前は自由に通行できましたが、現在のような完全舗装ではなく、部分舗装以外はガタガタ道だったように記憶しています。
またゲート開放が7時から17時と制限されたため、ある意味では登りずらい山になってしまいました。
12キロほどの林道を走り、7:45駐車場に到着です。上下2か所駐車場はありますが、登山口に近い上に停めます。時間が早いせいか、まだガラガラです。
支度を済ませ8:00スタートです。
登山口へ入った所にある注意書き看板。
ブナの混じる谷筋の道は2~3度小さな流れを渡る。
8:40十字路になっている小原峠に着きます。直進は白山麓の市ノ瀬へ、右が赤兎で左は大長です。
峠からはブナ林や雑木林の中の、部分的にかなり荒れた急な道を登ります。
振り返ると、どっしりとした大きな大長山が見えます。
大舟分岐。大舟山経由で経ケ岳に至ります。
急な道もほぼ終わり、しばらくすると稜線に出て9:20山頂に着きました。左に白山と別山がボンヤリとですが確認できます。感激の一瞬です。
南に視線を移すと、昨日登った経ケ岳が、どっしりとその存在感を示しています。三角点は三等で赤兎山。
経ケ岳はくっきり見えますが、その南東の荒島岳は霞んでしまっています。
経ケ岳に見とれていましたが、振り返って白山方面を見ると、次々と白い雲が・・・
なんとかならないかな・・・・上の写真を調整、少しは山の輪郭がはっきりしました。中央よりが別山で右が三ノ峰、標柱の後方雲の中が白山です。
北西にはこのあと登る、赤兎より40mほど高い大長山。
10分ほど展望を楽しみ、赤兎平に向かいます。その存在を知らずに頂上から引き返す人がいますが、赤兎のよさはここからです。少し東へ灌木の中を歩くと、突然展望が開けます。高層湿原を中心に、夏はキスゲなど高山植物が咲く美しい草原です。
登山道は正面に見える白山に向かって延び、赤兎のトレードマークの赤い屋根の避難小屋(矢印)が見えます。
白山も目を凝らすと、なんとなくその輪郭がつかめます。
山頂より赤兎平に下ります。少し歩くと桟道が現れ、やがて赤池に出ます。
振り返ります。右の小高い山が赤兎山です。
赤兎避難小屋。中は結構広いです。若い男女が休憩されていました。
小屋の横の道はゆるい坂で続いていて、すぐ先は崖になっており、白山の展望台です。正面の白山は相変わらず白い雲に隠れボンヤリしています。
9:45展望台でコーヒータイムです。20分ほどの休憩中、一番はっきり見えた写真です。
中央、雲がまとわりついているのが白山で、右は別山。そして三ノ峰、二ノ峰と高度を下げていきます。
10:05大長山が待っているので、あまりのんびりできません。出発しましょう。
赤兎山の横に経ケ岳が覗いています。
10:30赤兎山を通過、11時に小原峠に降りてきました。
十字路の峠の小広場の端に大長山への登山口があります。
大長山は赤兎にくらべるとマイナーな山で登山者も少なく、静かな山歩きが出来ますが、2004年2月、関西学院大学のワンゲル部員14名が豪雪に閉じ込められ、6日後に全員無事に救出された遭難事故で一躍有名になった山でもあります。
あの時は二つ玉低気圧が発達しながら東に抜け、その後強い冬型になり、北陸の平野部でも一日に40㎝からの積雪が一週間も降り続いた記録的な豪雪でした。
悪天候でヘリも飛べず、唯一安否確認の連絡手段だった無線も電池の寿命には限度がある・・・
マスコミも連日ニユースで報道しましたが、一週間も続いた強い冬型も移動性高気圧の張り出しとなってやっと終わり、全員無事ヘリで救出されました。
無謀登山との批評や、膨大な捜索費用をどうするか、などなど報じられましたが、どんな山か見ておきたい、という気持ちもありました。
展望のない樹林帯の急な登りですが、小ピークを登ると大長山がチラリと顔を出します。手前の山が苅安のようです。
11:35樹木に囲まれた苅安山です。
地形図を見ると、大長山まで主なピークが五つもあります。
やっと頂上?
急な岩場です。
頂上?そんな早いはづはありません。まだ手前のピークでした。二つ並んだ向こう側が頂上のようです。まだ遠いです。
遠くなった赤兎山を振り返ります。1時間45分前にはまだの頂上立っていたのですから、人間の足ってすごいですね。
12:15着きました。峠から1時間15分、かなりペースを上げたので標準時間よりかなり早く着きました。
三角点は二等大長山です。
適当な場所でお昼にします。民宿のおむすび、とっても美味しい!
赤兎に負けない白山の大展望台の山ですが、全く視界はありません。はるか遠くには赤兎山。
頂上の後ろの方から賑やかな声が聞こえてきます。食事が終わってから声の方に向かうと、頂上の奥がちょっとした広場になっていました。西方向に長々と横たわる山が見えます。取立山でしょうか?
12:40のんびりしていたい山頂ですが、そろそろ大長山をあとに下山します。ここまで来ると、経ケ岳ははるか彼方です。
急斜面の下りで先発された頂上広場におられた4人組みに追いつきます。正面は赤兎です。
実際は激下りです。先発4人組は最後の1人を心配そうに見上げています。
13:20苅安山を通過、13:45小原峠に降りてきました。今日4度目です、当然ですが。
大勢の登山者で賑わった山も、静寂に包まれようとしています。赤兎だけなら3時間余りで往復出来ますので、ほとんどの人は下山されているのでしょう。
それに17時にゲート閉鎖の制限付きですから、気分的にも落ち着かないですね。
始めての大長山、今日はひたすら歩くのみになってしまいましたが、広い山頂でのんびり時間を送りたい、とっても素晴らしい印象の山でした。
14:10駐車場着、車を停めていた上の駐車場はガラガラです。
14:25出発、下の駐車場はまだ5~6台停まっています。
帰り道、勝山温泉水芭蕉で汗を流します。この温泉も今年3度目になります。
15:55 山の疲れをとり さっぱりして温泉をあとにします。これまでは福井北ICまでR417が一本だけでしたが、最近無料の中部縦貫自動車道の一部と、それに続くR417パイパスが完成し、温泉から30分ほどでICに着くようになりました。
しかし問題は名神の渋滞です。連休最後の今日も敦賀IC手前の電光掲示板に栗東ICまで13キロの渋滞標示。
いつもここが思案のしどころです。敦賀で降りR27経由で舞鶴若狭道で帰るか、渋滞にまきこまれて帰るか・・・・
後者を選び舞鶴ICで降りR27に入ります。小浜ICまで約1時間かかりますが、小浜で高速に乗ります。舞鶴若狭道は一車線のため時間がかかる事がありますが、二車線になる福知山ICまでほとんど先行車がなくスイスイ、珍しいことです。
このあと中国道・播但道経由で無事自宅に帰ってきました。20:20です。
尚、舞鶴若狭道は2014年度中に小浜ICと北陸道・敦賀JCT間が完成、この開通で名神を通らなくても北陸方面に行けるので、完成が待ち遠しいです。
[今日のデーター]
駐車場8:00→小原峠8:40~8:45→赤兎山9:20~9:30→赤兎避難小屋・展望台9:40~10:05→赤兎山10:25~10:30→小原峠11:00→苅安山11:35→大長山12:15~12:40→苅安山13:20→小原峠13:45→駐車場14:10
(走行距離 約750キロ 歩行距離 約10・8キロ 累積標高差 約1060m)