No311台風を避け西へ 島根県三瓶山
メンバー・2人


9月15日(日)
台風18号が四国はるか沖を北上中です。大陸に冷たいHが控えているので、やがて進路をNNEに向け東海から関東方面に進むでしょうが、外側の取り巻きの雲がかかり、朝からかなりの雨です。
相棒のYさんには昨日、連休は台風の影響のない西方面に行こうと声をかけていました。
チャンスがあれば登ってもいいなと思っていた島根・広島県境の大万木山(おおよろぎさん)と、長い間登っていない三瓶山に向かうため中国道山崎ICに向かいます。
大万木山は関西ではあまり知られていない山だと思いますが、標高わずか1218m、周回コースがありますが3時間程度の、山というよりハイキングです。
中国地方で関心のある山はほとんど登っていますが、この大万木山はアプローチが不便なので残っていました。
ところが今年3月に松江自動車道(新直轄方式のため無料)が開通。すぐ傍を走っているのでぐっと便利になりました。
新直轄方式とは、高速道路会社ではなく国と地方自治体が建設する道路で、近くでは鳥取自動車道などがあります。
中国道も県境を越えると雨はやんで曇空に変わりますが、勝央SAで休憩中、同じ登るのなら空模様を気にせずに天気のいい日にしょう、と言うYさんに負け「じゃ そうするか」とあっさり大万木山を諦めます。
宿は両山に近い出雲市あたりを中心に探しましたが連休だけにどこもいっぱい。遠くなりますが松江市でかろうじて確保しました。
大万木山に登らず松江に向かうのなら米子道の方が便利です。高速道路から見る大山はガスもかからず、曇り空にクッキリ聳えています。
大山がこれなら、ずっと西の大万木山ならさらに条件がいいので、登ればよかったな、と反省します。
9月16日 (月・祭日)
昨夕、せっかく松江に来たのだからと、新しく出来た夕日絶景ポイントに寄って見ましたが、少し雲が邪魔をして、湖に落ちる瞬間は見られず、残念でしたが、結局中国地方中部あたりは雨は降りませんでした。
今朝の空は台風が去った後の独特の雲が南に走っています。
朝食をいただき、7時に出発。旧のR9を西に走り、松江玉造ICから山陰道へ。15キロほど先の宍道JCTから南に延びる松江道に入ります。
10キロ少し走った次の三刀屋木次ICからは中国道三次JCTまでの約72キロが無料区間になります。
次の吉田掛合で降りR54に出て、南西に10キロほど走って県道40に入ります。
17~18キロ走ってようやく目的地が見えてきました。右の山が女三瓶山です。ストレートに走る道路がなく、右に左にとアプローチはとっても不便です。

8:10東の原の広い駐車場に着きました。駐車している車は2台だけで、閑散としています。
右のアンテナ山が女三瓶山です。

支度を済ませリフトのり場に向かいますが、リフト運転時間は8:30から。まだ少し時間があります。

以前は北の原から直接男三瓶山に登って縦走したように記憶していますが、今日は少し楽をして観光リフトで大平山に登り、縦走します。リフトは左の電柱の後方にある建物から、コルに向かって登ります。
右は閉鎖されたスキーリフトの支柱です。
このちょっとしゃれた建物は、スキー客用のレストハウスだったのでしょうか。中はテーブルと椅子が並び、カウンターはシャッターが降りています。ここさんべ温泉スキー場は暖冬で年々雪が少なくなり、またスキー人口減少で2009年に閉鎖されてしまいました。


8:30ちょうどにリフト乗り場に行きます。他に乗客はいません。「2人だけのために電機代使うのはもったいないですね」
ニコニコ顔の愛想のいいおじさん「降りられたら即スイッチ切りますから」冗談が返ってきます。
高度差250mほどをゆっくり上がっていきます。牛がのんびり草を食べています。三瓶山の周りは牛が放牧されており、以前は室内池のまわりを歩いて、突然原生林の中から牛が現れビックリしたことがありました。


8:50リフト終点をスタートします。


リフト終点から少し坂を登ると縦走路です。反時計回りに、まず女三瓶に登りましょう。


女三瓶まで高度差100mあまり、ジグザグ道の急登です。
途中からの眺め。左の地面が見えている所が大平展望台でそのすぐ右のピークが大平山。右は孫三瓶で茶色く濁った池が室内池。

左孫と右子供。

室内池のアップ。以前はきれいな青でしたが今日は濁っています。

これから登る男三瓶です。

パノラマ写真。中国山地の雄・大山が荒々しい男性的な山に対し、三瓶山は女性的な山です。穏やかな曲線の山容は優美な感じがしますね。
三瓶山はトロイデ火山で、中央の室内池が火口湖、周りの山が外輪山ですが、この優雅な曲線からはとても火山だったとは想像できません。

アンテナ山の女三瓶山が近づいてきます。


10:05女三瓶山頂展望台に着きました。

短い道中ですが多くの花が咲いていました。






10:20展望を堪能して出発です。一度900mあたりのコルに下り、男三瓶への高度230mほどの登りになります。所どころに小さな岩場もあります。

15分ほどで兜山の標識に着きます。地形図の981m標高点でしょうか。

さらに10分ほどでユートピアで、ベンチが設置されています。ここから見る子三瓶の頂上は平らになっています。ところで道標にはここの高度が980mになっています。とすると地形図の981mの位置になるのでしょうか?当然兜山はもっと下のP920mあたりと言う事になりますが・・・

岩場です。

ホソバノヤマハハコが群生しています。

フシグロセンノウでしょうか

頂上南側の崩壊地です。矢印は室の内展望台です。

高度1100mあたりまで登ると突然平らな地形に変わり、一面のススキの原っぱの中にポツンと小屋が建っています。左に2人の人影が見えますが、大きな避難小屋です。

まだ新しい三瓶山頂小屋。以前の小屋は老朽化し立ち入り禁止になっていました。中を覗くと、広々としており、5人の家族連れが食事中でした。


頂上はすぐそこ、時々吹いてくる風にススキが波打ちます。山はすっかり秋ですね。

道標左行は三瓶自然館75分とあります。

10:10男三瓶山山頂、三角点は一等で点名は三瓶山です。台地状の広い山頂で、北の端に展望台があります。

展望台に立ちますが、地平線の向こうの日本海は、モヤって確認できません。すぐ下が北の原で前回はこちらから登ってきました。

広い山頂です。

南方向はススキの大海原が広がっています。

少し南に室の内展望所があるので、そこでコーヒータイムにしましょう。登る途中から見えていた崩壊地の上です。
下を見ると崩壊地は三瓶山自然林に流れ落ち、室内池が見えます。左から二つ目のアンテナノ立つピークが女三瓶山です。
この位置から見ると、池が噴火口でまわりが外輪山と言う事が良くわかります。

10:45次の子三瓶山に向け出発しましょう。しばらくはススキと語らいながらのんびりと歩きます。とても山頂とは思えない平地のような地形です。

やがて台地状の地形は終わり、子三瓶に向け急降下になります。左は孫三瓶山。

ここから子三瓶とのコルまで高度差250mの激下りです。登山道は一転、木の根や岩まじりの歩きにくい道に変わります。一部ヤブコギのような所もあり、足許が悪いので思うように進みません。

11:20標高850mあたりの扇沢分かれに降りてきました。右は西の原登山口、左は室内池です。

峠から少し登ると視界が開けます。振り返る男三瓶。と言っても山頂台地の南端で、山頂は見えません。

見上げる子三瓶。

子三瓶の手前にP886mがあります。そのピークと男三瓶を振り返ります。

リフト山頂駅からイヨフウロが、ず~とお友達として付き合ってくれます。とにかく多いですね。

ヤマジホトトギス。

11:45 子三瓶山に着きました。台地状の気持ちいい草原の山頂です。

すぐに孫三瓶に向かいます。男三瓶から登ってくると、右の人影の所に出ますが、子三瓶山頂は向こうの標柱で、縦走路からは少し離れていてピストンします。

さあ、次は目の前の孫ですが、また高度差160mほどの下りです。

コルは十字路になっています。左は室内池です。

12:05風越コルに降りてきました。このあたりで800mです。

高度差100m、最後の孫に取り付きますが、このあたりにはフウロに似た小さな花が見られます。
四国剣山で見かけたヒメフウロに似ていますが・・・


相棒さんはマユミの実では?と言われますが、わかりません。

12:15孫三瓶山に着きました。

子三瓶山と男三瓶山です。


小休止してスタート、高度差120mほどを降りると奥の湯峠のコルです。

縦走路は尾根を歩いてリフト乗り場に帰りますが、私は室内池に降りる事にします。相棒さんは池に降りると、リフト乗り場まで160mほどの急登があるのでパス。少しお疲れの様子なのでここからは別行動となります。
100mほどジグザグ道を下ります。キバナアキギリです。その他登山道脇にはフシグロセンノウ、ヒメフウロ、イヨフウロ、ツリガネソウなどが見られます。結構花の多い山ですね。

室内池に降りてきました。以前このあたりで放牧牛に出合ったのですが、西の原から高度差300mあまりの扇沢峠に登り、150mほど下ってこの池まで降りてきたことになりますが、迷わずに帰ったのでしょうか。



池から見上げる左子三瓶山。右は兜山かユートピアでその後ろに男三瓶山が隠れています。
矢印は室の内展望所です。




最後の大平山への登りです。


振り返る左孫三瓶、中央が子三瓶、左はP886峰です。

13:15太平山です。

観光客やツアーなどはここで展望を楽しみ、下山されるようです。


最初に登った女三瓶山はすぐそこです。

13:20リフト乗り場で相棒さんと合流、下山します。

13:30駐車場に戻ってきました。13:40スタート、国民宿舎さんべ荘に向かいます。三瓶温泉温泉街の看板に導かれて温泉街に入りますが、人影はなく、店のシャッターは下りひっそりとしています。ここが温泉街?
駐車場から10分ほど走った温泉街の外れにさんべ荘があります。ここだけは多くの車が停まり、賑わっています。

露天風呂は凝った造りです。すぐ近くにある石見銀山の酒樽の湯。

お隣江津市を流れる江の川の鮎舟を真似て作った笹舟の湯など、ユニーク無露天風呂があります。

14:45 温泉を後に帰路に着きます。往路を引き返し、松江道吉田掛合ICに。
片側一車線の松江道は中国山地を抜け、中国道三次JCTで中国道に入ります。
普段は交通量の少ない中国道ですが佐用~山崎間が工事で対面通行のため、佐用IC手前から渋滞です。仕方なく佐用で降り、R373~R179~県道28を経由して播磨新宮ICで播磨自動車道に入ります。
このわずか12.8キロの播磨道は現在日本一交通量の少ない路線です。
2012年度の一日上下線の通行量はわずか1320台。2020年度に中国道山崎JCTにつながると、通行量も増えるでしょうが・・・
この播磨道は現在開通している鳥取道と併せ、正式名は中国横断自動車道姫路~鳥取線です。
まわり道しましたがいずれもスイスイ走れ、19時ちょうどに姫路に帰ってきました。
[本日のデーター]
リフト山頂駅8:50→女三瓶山9:05~9:20→兜山9:35→ユートピア9:45~9:55→男三瓶山10:10~
10:45→扇沢分れ11:20→子三瓶山11:45~風越12:05→孫三瓶山12:15→奥の湯峠12:35→室内池12:45→大平山展望台13:15→リフト乗り場13:20⇒駐車場13:30
(歩行距離 約6・8キロ 累積標高差 約790m 2日間走行距離 約655キロ )

