みちくさおじさん山を歩く

No292 石立山 四国で一番危険でしんどい山と聞いていたが・・・・

石立山(1707.7m)高知県香美市・徳島県那賀町 2013・5・26(日)天気・ガス メンバー・3人

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5月15日(水)の鈴鹿・御在所山~鎌ケ岳縦走を書いていたところ、突然画面が真っ白になり、消えてしまった。なんちゅうこっちゃ!
このところPCは絶不調、前にも何度か同じ現象がありました。
そこで次の5月22日(水)の比良山系蛇谷が峰との2件は後回しにして、石立山を先に書いていきます。

四国で一番きつい山、危険な山と言われている石立山は、穂高のザイテングラードより厳しい登りと言う人もいるとか。

以前からどんな山か気になっていましたが、J さんに話すと、イシダテクサタチバナと言う石立山だけに咲く花があり、是非見てみたい、で話がまとまりました。
ただ開花期が6月~7月とか。しかし梅雨に入ればいろいろ制約されるので、気の早い花が咲いている事を願ってレッツゴーです。

距離からすると日帰り圏内ですが、山の状況がわからないので安全を考え、土曜日の午後発で登山口にある温泉宿で一泊することにします。

さて徳島・高知県境の石立山は高知道の南国ICからR195で約50キロで一番早い道ですが、徳島から高知まで山間部を縫って走るこのR195を走ってみたかったので、淡路島経由で徳島に向かいます。
神戸淡路鳴門自動車道を鳴門で降り、R11・55で阿南市まで走り、R195に入ります。
ところが那賀川に沿って曲がりくねって山間部を走るので、後部座席から 気分わる~  でスピードダウンします。
私はこういう道路を走るのが好きですが、同乗者にはつらいかも・・・
一部すれ違い困難な狭い部分もありますが、山間部を縦断する道路としては走りやすい道です。

県境の四ツ足峠トンネルを抜け、坂を下りると登山口の別府峡渓谷への交差点があります。
先に登山口の確認のため別府渓谷沿いの道に入ります。
交差点から1キロあまり進むと、河原に2か所大きな駐車場があります。
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あの赤い橋が登山口です。
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これだけ確認をすると、5分余り走ったところにある今夜の宿、べふ峡温泉に向かいます。

12:40姫路出発で、宿到着が16:40になりました。 私にはR195を走ってみたかったので満足ですが、長時間カーブの連続した道は同乗者にはきつかったようです。鳴門ICから約120キロありました。
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物部川に面したべふ峡温泉は、すべて独立した離れタイプの木造バンガローで、渡り廊下で繋がった部屋数が20室あります。時期的に今夜は灯りの消えた部屋もありますが、秋は紅葉のべふ峡見物で混みあうそうです。

パンフレッドより
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夕食メニュー
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26日(日)
朝4時半起床です。7時朝食では遅いので、持参の食事をすませ、5:25出発します。
登山口まで5分足らず、河原に大きな駐車場がありますが、路上にも5台ほど止られるので、ここに駐車します。

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靴は宿で履いてきたので、5:35スタートです。大きな茶屋の前を通り、5分程で登山道入り口の赤い橋に着きます。
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橋を渡るといきなり急登の階段です。
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階段が終わると、急な斜面を巻いて転落防止用の柵の道をグングン登ります。
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道標のカタツムリは、ゆっくり登りましょう、という意味でしょうね。
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急な道を標高900mあたりまで登ると、今度は一気に下ります。竜頭谷です。
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6:30 谷を渡りますが水は流れておりません。状況はわかりませんが、過去に遭難事故もあったそうです。
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谷を渡るとジグザグに切られた道の激登りになります。石灰岩のザレた斜面は浮石も多く、滑落・落石に要注意です。
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ほとんど足場のない斜面もあり、緊張します。
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ラストのYさんの足元が崩れ、大きな石が落石、幸い早朝で下に登山者がいなかったからよかったものの、大音響をたてて竜頭谷まで一直線です。 ザレ場の急登が終わると岩稜地帯の急登に変わります。
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鹿除けネットが張り巡らされている一角に着きました。
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傾斜も幾分緩やかになり大木が目立ちます。
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再び急な登りになり、岩場を乗り越えます。
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ビャクシンの狭い尾根に着きました。石灰石の懸崖に、低木状に生育しているミヤマビャクシンの老木は、まさに芸術作品です。
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両側はガケ、慎重にビャクシンの尾根を通過します。
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その後も続く岩場の急登が一段落するころ、シロヤシオの木がお目見えです。
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鹿除けネットの向こうにピンクの花・・・あけぼのつつじです。まだ咲いてたんだ。
4月29日 同じ四国の二ツ岳で始めて見てからもうひと月が経ちますが、まだ頑張っているんですね。
この12日も四国・平家~冠であけぼのつつじを堪能してきましたが、淡いピンクの花は何度見てもいいものですね。
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ガスの世界からポツポツ雨が落ちてきました。気温11度、濡れると寒いので雨具の上だけ着用します。
イシダテクサタチバナの群生地です。広大な範囲にビッシリ。まだ蕾が多く、冒頭の満開の写真はPR誌からです。
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その先にバイケソウの群生地がありますが、まだ蕾です。
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ツルギンバイ
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シロヤシオの世界にひときは派手な色彩は、トサノミツバツツジでしょうか。
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9:25 分岐に着きました。西峰のようです。ここで標高1700m、断崖絶壁の捨見嶽分岐です。
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この急な岩尾根を下ると、三嶺方面の大展望が広がる岩壁、捨見嶽に出ますが、雨で濡れてた下りの細い岩場の通過は危険ですし、ガスの世界なので途中で引き返す事にします。
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晴れていればこんな光景が。岩場の上に点のような登山者の姿が見えます。
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分岐まで戻り、頂上を目指しますが、どこまでもシロヤシオがお供してくれます。とにかくすごいです。
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振り返ると西峰がガスの中からかすかに覗いています。
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勾配が緩くなると一転荒涼たる世界に唖然とします。立木のほとんどが枯れ死です。
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シカの食害でしょう。ここから尾根続きの三嶺も、シカによってササが喰いつくされています。
ただイシタテクサタチバナは苦手とみえ、大群落が残っていました。
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石立神社の祠
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ガスの中、頂上が見えてきました。深い谷と急峻な尾根から想像もできないなだらかな頂上です。
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二等三角点石立山です。時刻は9:55、4時間半近くかかりました。
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雨は上がりましたので、まだお昼には早いけど食事にします。
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まわりには朽ち果てた倒木、文字の読めないプレート類などが散乱、何故か落ちつけない山頂です。
人気の山ですが、誰一人登ってきません。(登山地図では石立山は熟達者コースになっている)
食後コーヒをいただきながら下山方法を検討します。

駐車位置を考えると当然ピストンになります。しかしあの急な岩場や崩れそうなザレ地を考えると、ピストンはイヤとおっしゃいます。私も気が進みません。
とすると反対方向の徳島県側・日和田集落へのルートを下りる事になり、駐車場まで5・4キロ、そのうち約1・9キロの四ツ足峠トンネルを歩かなければなりません。

但しその場合の事を想定し、べふ峡温泉で一応手は打ってあります。
タクシーのない山の中なので、日和田に降りた時点で電話をすれば迎えに行きます、と言う確約をいただいているのです。
但し携帯がつながらないので、日和田集落で電話を借りなければなりませんが、安全を考え日和田に下りる事にします。

その日和田コースがどんな道かわかりませんが、登りのような危険なザレ地や岩場の激下りはないでしょう。

10:40 下山開始です。枯木や倒木ばかりで道標が見当たらないので、コンパスで方向を確認します。
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まだ花を付けているアケボノツツジやトサノミツバツツジ、来年も登山者の目を楽しませてくれるでしょうか?頑張れよ!と思わず声をかけてしまいました。
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数年前まではササが茂り、あけぼのつつじやシロヤシオ・ミツバツツジが花を競っていたとか、増え続けるシカ、なんとかならものでしょうか。
心配していた岩場はありませんが、急斜面の下りが続きます。逆にここを登るのも大変です。高度を下げるにつれ緑の世界の復活です。
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11:10 荒れ果てた避難小屋に着きます。
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部屋内は荒れていますが、緊急時の雨風はしのげるでしょう。
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また岩場が現れました。急な下りもありますが、慎重に歩けば問題ありません。
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この道標が岩場の最後になります。
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ヤレヤレ植林に入りました。
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フタリシズカの多い植林です。よく見ると花は3本や4本、中には5本もあり、まるで不倫シズカのようです。
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その後も崩壊地や荒れた沢を横切り、やっと人里の気配がしてきました。
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13:15 登山口に降りてきました。舗装道路の終点で広くなっていますが、大型車の転回場にて駐車禁止の標示があります。
ここから携帯はやはり圏外です。トンネルを抜けた高知県側は繋がるそうですが、県境を越える通行車はほとんどないとはいえ、1.9キロのトンネルは嫌です。
道路を少し下ったところに家屋が見えるので寄ってみます。徳島県の最西端のお宅です。
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声をかけると、TVを見ておられたおばさんが窓を開けられたので事情を話し、電話をお借りしますが、べふ峡の登山口までなら乗っけてあげてもいいよ、とありがたいお言葉。
時々そんな人がいるし、常連さんもいるそうです。

徳島県側から見た四ツ足峠トンネル。右の坂を上がって少し走った所に一軒家があります。

四ツ足峠の名は何か謂れがありそうですが、トンネルが出来る以前は山道しかなく、県境に立つお堂の四本足の二本ずつが、県境をまたいでいたところから、名付けられたそうです。
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いろいろと世間話をしていると、あっという間にべふ峡の駐車場に着きました。
気持ちだけのお礼をして車を下ります。ホント助かりました。ありがとうございました。

車を再びべふ峡温泉に走らせ、昨日の係員に事情をお話し、その後温泉で汗を流します。
大きな浴槽が一つだけですが、物部川を見下ろすロケーションは最高です。
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14:40温泉を後にR195を高知側に下っていきます。徳島県側よりも山が浅いので道路の屈曲も少なく、走りやすいです。土佐山田でR195と分かれ、県道31に乗り、16時すぎ高知道南国ICに入ります。
これで走りたかったR195はほぼ全線走ったことになり、満足満足です。

これでゴールデンウイークから3度目の四国行きですが、まだ登りたい山、走りたい道も残っているので、次が楽しみです。途中のSAで夕食をとり、18:30無事帰ってきました。

お二人の感想は、とにかく評判通り足許が不安定で激登りの連続は怖かったし、ガスで展望もなく しんどかった~
けど花が多くビックリ。今度来るなら紅葉のキレイな秋がいいかな。但し高知県側からが条件、とのことでした。

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[参考データー]

5月25日(土)

姫路12:35⇒姫路・加古川BP⇒第二神明・阪神高速北神戸線・第二神明北神戸線・神戸淡路鳴門道(鳴門IC)⇒R11⇒R55⇒R195⇒べふ峡温泉16:40

5月26日(日)

べふ峡温泉5:25⇒べふ峡駐車場5:30~5:35→竜頭谷6:30→ビヤクシンの尾根8:00→西峰9:25~9:35→石立山9:55~10:40→避難小屋11:10→岩場終わり植林へ12:00→日和田登山口13:15
→民家13:20~13:30車で送っていただく→べふ峡駐車場13:40~13:45⇒べふ峡温泉13:50

べふ峡温泉14:40⇒R195⇒県道31⇒南国IC(高知・松山・高松・瀬戸中央・山陽道)姫路西IC⇒自宅18:30

(走行距離 約560キロ 歩行距離 約7.3キロ 累積標高差 約1300m)

by hotaka443 | 2013-06-01 22:35 | Comments(0)