みちくさおじさん山を歩く

No289 奥美濃の花の山・舟伏山

舟伏山(1040.3m) 岐阜県山県市・本巣市 2013.5.5(火) 天気・晴れ メンバー・2人

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舟伏山は絶滅危惧種のイワザクラで有名です。開花は4月中旬頃なのでもう終わっていますが、以前から登ってみたかった山です。
登山口までざっと4時間も走れば着くので、ひとっ走りする事にしました。

5時半自宅を出発します。名神から東海北陸道に入り、関Jctで東海環状に乗り換え、西に向かって次の終点、関・広美で降ります。
将来ここから大垣ICにつながるので、東海北陸道や中央道に行く場合、特に中央道の場合は名古屋を通らなくなるので便利です。

関・広美ICからR418で北西に向かい、17~18キロ走った谷合で右へ県道200に入ります。
山峡の所どころに点在する集落を見送り、とあるカーブを曲がると前方に大きな山が見えてきました。
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あれが舟伏山かな?少し走ると舟伏山入口の案内看板が見えてきました。やはり先ほどの山のようです。
軽が1台停まっていますが、ここからのコースもあります。
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夏坂谷に沿った林道を3キロほど走ると、前方に広大な駐車場が現れビックリ。すでに多くの車が停まっています。
最近はイワザクラ観賞のツアーバスが入るので、この広い駐車場も納得です。
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駐車場の手前に西コースの入り口があり、案内図があります。
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9:10着、ざっと見たところでは中京地区のナンバーばかりで、関西ナンバーは見当たりません。
登山口の登山届BOXに張られた注意書き。
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9:20大勢の登山者の行列に並んでスタート。いきなり植林の急登です。植林=ヤマヒルで、どうしても視線は足許にいきます。
そう、この舟伏山もヒルが多い山ですが、幸い地面は乾燥しているのでまず大丈夫でしょう。

ヤマヒルは地質学的には古成層の石灰岩で成り立っている山に多いそうです。
素人には地層はわかりませんが、特に石灰岩で成り立っている鈴鹿山系に多いのは納得です。 

ちなみに西日本でヤマヒルの存在が報告されていない県は、大阪・岡山・山口・島根・四国四県・佐賀・長崎だそうです。
そういえば隣の岡山の山にはよく行きますが、全く聞いたことはありません。
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高度が上がるにつれ自然林も顔を出すようになり、10:00桜峠に着きました。
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道標に何やら金属板がうち付けられています。
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近寄って見ると、あの有名な「根尾の薄墨さくら」の子孫と書いてあります。根尾はここから西へ20キロほどの所にあります。
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これが子孫の桜だそうです。
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桜峠を過ぎるとまばゆいばかりの新緑の世界に入ります。右側の尾根に向かって高度をあげていきます。
急な登りですが、疲れを感じさせないのは自然の美しさのせいでしょうか。このあたりの斜面には、もう咲き終わっていますがカタクリが群生しています。
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急な登りが終わりなだらかな地形に変わります。みのわ平です。このあたりで標高770mあたりですが、新緑も薄く、まだ芽吹いたばかりの木も見られます。
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この花はニリンソウ?私は花オンチの方。相棒はニリンソウは必ず2輪とは限らず、1輪や3輪のもある、とおっしゃるので、そうかもしれない。確かにこの葉はイチリンソウではないですね。
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カタクリに混ざってヒトリシズカの登場です。
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みずたまり場の案内があります。水飲み場じゃなくたまり場なので どのくらいの規模かな?と行ってみると、どこに水があるの?でした
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ヒトリシズカが増えてきました。あちこちで群生しています。
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ほほえましくもあり どことなくユーモラスですね。 
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頂上近くになると芽吹く寸前の木が多くなります。途中の道路から見た山は全山茶色く見えましたが、残っている冬枯れや芽吹き始めたばかりの色だったのでしょう。
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傾斜がゆるくなり頂上近しになってきました。地形図も1000mからは等高線ものんびりしています。
舟伏山の名前の由来も、舟を伏せたような形状から付けられたそうです。
前方の地面が一面緑に覆われています。何かの群生のようです。
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近寄って見ると これはヤブレガサ?しかしよく見ると葉の幅が広く、ちがうような気がしますが・・・
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カタクリを一輪見つけました。まわりを探しますが、すべて咲き終わりこの一輪のみです。
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11:20 舟伏山に着きました。舟の底の形容通り、フラットな広い山頂です。みなさん強い日射しを避け、まわりの木陰で休んでおられますす。
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三角点は二等で点名は字違いの船伏山です。
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かわいいキャラクターの山県サクラちゃん、かわいい!
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低い山ですが南側は高い山がなく、伊吹や鈴鹿、岐阜の町などが見えるそうですが、モヤッテいます。
東はギリギリで見える範囲が恵那山でしょうか。
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北側に能郷白山や荒島岳が見えるはずですが、大勢の人が食事中なので遠慮しましょう。
私たちは日あたりのいい南側で、早朝から作ってきたおにぎりにカレーうどんで食事にします。
人気のある山らしく、次々と登ってこられます。

12時ジャスト、女性グループに場所を譲り、下山開始です。東ルートを登ってきたので、下山は西ルートです。下山方向から振り返る舟伏山山頂。実にのびのびした解放感あふれる山頂です。
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スタートしてすぐ「カタクリが咲いている」の声に林の中を見ると、まだ所どころ咲いています、カタクリが。
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ヒトリシズカも相変わらず群生しています。これほどのヒトリシズカは今まで見たことがありません。
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芽吹き直前の樹間から見える北方の山。能郷白山でしょうか、豪雪地帯の山だけあり、まだ真っ白です。
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コバイケソウの群生地を通ります。
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登ってこられる人に聞きますと、カタクリはここから下にはないとのこと。もう一枚撮っておきましょう。
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20分ほどで小舟伏(973m)です。展望もなく、単なる通過点です。
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東ルートにも咲いていた、これはフデリンドウでしょうか?
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やがて南西から南に方向を変え、激斜面の下りになります。
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小舟伏より30分余りで石積みの所に出ました。
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正面に回って見ると、阿弥陀如来像です。
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西ルートは見るべき所のない単調な道が続きます。やがて右から沢の音が聞こえてきて合流します。
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沢に沿った道はやがて傾斜を緩め、林道が見えてきました。
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林道を5分余り進むと西コースの登山口です。
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登山口から夏坂林道に上がります。夏坂林道から見た西コース登山口。
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夏坂林道を左折すると、駐車場です。登る時にくらべるとさらに車は増えており、私の車ははるか彼方です。
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13:35 車に無事帰ってきました。標高が低いので休憩入れた歩行時間はわずか4時間15分。
しかしなかなか充実した山歩きが出来ました。

舟伏山はもう10年以上前でしょうか、福井の山からの帰り道R157を南下中、(落ちたら死ぬ)の看板で有名な根尾あたりの極細道路でがけ崩れによる通行止め。
林道の迂回路がありましたが、ぐるぐる山中を回りまわって時間を浪費、諦めて帰ったことがありましたので、今回はリベンジ登山の意味もありました。

写真でしか見た事がないイワザクラ、一度この目で見たいものですが、盗掘が相次ぎ、舟伏山のイワザクラも絶滅の危機にさらされているそうです。

           石灰岩の隙間に咲く可憐なイワザクラ  
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[本日のデーター]

自宅5:30⇒山陽・中国・名神・東海北陸・東海環状・関広美IC⇒R418⇒県道200⇒夏坂林道終点P9:10
駐車場出発9:20→桜峠10:00→みのわ平10:25→舟伏山山頂11:20~12:00→小舟伏12:20→阿弥陀堂12:55→駐車場13:35

出発13:40⇒夏坂林道⇒県道200⇒R418⇒R256⇒R157⇒R21大垣市内宿泊地15:30

(走行距離 約380キロ  歩行距離 約7.4キロ  累積標高差 約850m)


最新のレポート 2015.4.12 No385でイワザクラを鑑賞してきました
by hotaka443 | 2013-05-19 14:01 | Comments(0)