No277 寒冷前線通過・悪天の養老山地へ
天気 曇り後雨~ミゾレ後晴れ メンバー・2人
養老の滝
このところパート仕事がかさなり、またその他の用事も次々と続いたため、3週間ほどの間にスキーに2度行ったものの
すっか山は御無沙汰です。
ようやく山モードになったので昨日Yさんに声をかけ、比較的近く3時間もあれば行ける養老山に決めました。
ただ今日は昼ごろに寒冷前線が南下するので、タイミングとしてはよくありません。
しかし山に行きたい気持が先行、ここ2~3日のバカ陽気が一転し雪が降るかも、とYさんに伝え6時に出発します。
大垣ICで降りた方が若干近いですが、経費節減で関ヶ原ICで下車し、R365から県道56、96で養老公園に向かいます。
養老の滝のずっと手前に300円の駐車場がありますが、滝の上にも1000円の駐車場があります。
登山口は滝の上の駐車の近くにあり、300円の駐車場からだと滝まで歩いて20分ほどかかります。
この20分を700円で買うかどうか・・・
結局滝の上の駐車場に向かいます。経費節減はどうなったのいでしょうね。
8:30 駐車場に着きました。車は3台だけでガランとしており、駐車場入口の小屋は人影が見えません。
帰りに徴収するのでしょう。
準備をしていると、軽トラが止まりお姉さんが降りてこられます。
「駐車料金いただいていいですか?1000円です」感じのいいお姉さんです。(30代後半?)
コースの説明や注意点の説明を受け、マップをいただきます。
「暖かい日が続いたけど、昨日養老山に登ったらまだ雪が残っていましたよ。笙ケ岳は登っていないのでわかりませんが、養老山より多いはずです」 山が好きな様子です。
先に養老山に登り、天候次第で笙ケ岳はカットしてもいいな、と考えていましたが、養老山の登りは急坂で滑りやすいから逆回りの方がいい、とおっしゃいますので、先に笙ケ岳に登ることにします。
但し一つ心配なのは、調べてみると笙ケ岳に行く途中の林道の一部が崩壊、通行止めになっていることです。
「30~40㎝ほど残っているので、大きな声では言えませんがおたく達なら大丈夫です。但し自己責任で歩いてくださいね」
とおっしゃいます。
ヤレヤレです。通れなかったら予定が大幅に狂いますから。
「気をつけてね」の言葉に送られて9:00出発します。
駐車場から少しバックして、登山口の標識のある林道に入ります。
ここからあせび平まで4.3キロ程の曲がりくねった なが~い林道歩きが始まります。
すぐに看板があり,笙ケ岳への案内が書かれていますが、Aコースが林道で、Bコースが養老山方面の近道のようです。Bを登りAを下山予定でしたが、逆回りで歩きます。
分岐です。左の坂を下ると養老山、直進林道が笙ケ岳ですが、傍の道標には林道は通行止めになっています。注意書を無視して歩くことには勇気がいりますが、ゴメンナサイ。
神社があります。
広くなったり狭くなったりの林道が続きます。
9:30 登山口より1.5キロ地点通過です。
道路崩壊地点に着きました。巾の広い林道としては半分以上削られていますが、歩行には問題ありません。
振り返ってみます。急斜面でかなり下まで落ち込んでいるので、復旧工事となると大がかりな工事になります。
10:00 ここで標高580mあたりです。急に空が暗くなり、ポツポツ雨が落ちてきました。
スタート時点では無風で薄日が漏れていましたが、風が出てきました。いよいよ寒冷前線の通過です。
まだ気温は12℃あり、歩いていると汗ばむくらいですが、ここ2~3日のバカ陽気の後だけに、前線の通過後は一時的に冬にバックです。ザックの上の方に用意していた雨具を着用します。
少し歩くと分岐があります。地形図では曲がりくねった林道を大幅にカット、直線でもみじ峠に行く破線がありますが、この道はまだ新しく道巾も広いので地形図には載っていないのかな?
立ち止まって一瞬躊躇しますが、何故か通り過ぎてしまいます。カーブの先に破線の道があるかも・・・・と。
しかしもう道はありません。破線道は拡張されたのでしょう。
雨の中バックするのも面倒なので林道を歩きます。しかし失敗でした。1キロほど遠回りになります。
10:30 笙ケ岳~養老山縦走路の途中のあせび平のようです。道標は旧牧場となっています。
雪がかなり残っています。ガスが出てきて視界が悪くなってきました。気温は8℃に下降、寒くなってきました。
ガスが垂れこめ陰気な世界です。大洞川の源流あたりです。
大洞登山口からの道が上がってきます。
黄色い道標をアップすると・・・
歩いていると道巾の狭い所が何か所かあります。積雪時は緊張するでしょう。
一か所徒渉します。
やがて尾根に向かっての急登です。
尾根に出ると北から西に方向を変え、緩い傾斜を登ると前方に笙ケ岳山頂が見えてきました。
いつの間にか雨はやんでいますが、濃いガスは晴れそうにありません。
12℃あった気温は6℃まで下がっています。風も弱くなっていますが寒いので下山します。
急斜面を下っていると急に空が明るくなり、ガスも取れてきました。
12:20 大洞登山口分岐を過ぎたあたりにベンチがあるので、ここで食事にします。気温は4℃に下がりました。
暖かい鍋焼きうどんの予定でしたが、ガスを出すのが面倒なので、おにぎりだけで済ませます。
風が出てきました。谷筋なので風の通り道で寒く、わずか15分でこの場を撤退します。
5分余りでもみじ峠を通過、旧牧場跡のあせび平に12:50帰ってきました。
ここから養老山まで尾根上の縦走路になりますが、次第に風が強まり、ゴーゴーと唸り声を上げ始めました。、みぞれ混じりの雪が吹きつけます。
アップダウンの登山道は所どころ階段になっています。
最初12℃あった気温がとうとう1℃まで下がりました。吹き飛ばされそうな強風、体感温度は相当な-です。寒いです。
ガスの世界で視界もありません。道標の前で考えます。旧牧場のあせび平まで引き返し、長い林道を下るか、笹原峠まで我慢して歩き、養老山はカットして下るか・・・難しい選択ですが、あの長い林道のことを思うと、未知の世界を選び、笹原峠から下山しよう、と相棒に了解をもとめます。
気温は0℃から1℃の間を行ったり来たり、容赦なく強風と雪・みぞれが吹きつけます。
前線通過による天気の急変は予想していた事だから、弱音をはいたらアカン!とひたすら歩きます。
高い山では猛吹雪でしょう。
13:30やっと笹原峠に着きましたが、急に風は弱まりみぞれもやんで少し空は明るさを取り戻してきます。
悪天のため養老山は諦め、笹原峠から三方山を経由して駐車場に帰るつもりでしたが、天気は回復傾向なので、せっかく来たのだから養老山をタッチしておこう、と気が変わります。
小倉山は養老山の手前のピークになります。小倉山の登りから見た笹原峠。
峠から登り着いたピークが小倉山と思っていましたが、小倉山はまだ先です。前方から男女二人連れが歩いてこらます。人を見ると何故かホッとした気分になりました。
これで今日会った登山者はわずか4人です。
小倉山の北斜面です。
13:45小倉山です。
すぐ西には霊仙山から御池岳が、北東には白山や御嶽方面も見えるそうですが、残念です。
養老山に向かいます。
14:00一等三角点養老山に着きました。こちらは樹木に囲まれ展望はありません。
気温は0℃ですが風が通らないのでコーヒータイムにします。やっと落ち着いた気分になりました。
10分ほど休憩し養老山を後にします。15分で小倉山を通過、15:40笹原峠です。
峠で縦走路と分かれ、いよいよ下山で三方山方面に向かいます。
三方山は下山途中にあるピークで、10分足らずで三方山の分岐に着きました。
道標には三方山まで1分とあるので寄ってみます。
三方山です。小倉山以上に素晴らしい展望台ですが、下界がボンヤリ見える程度です。
ようやく薄日が漏れてきました。天気は急速に回復に向かっています。急な坂道をドンドン下ります。
稲妻形に切った急坂の細い道が続きます。駐車場のお姉さんが、急坂で滑りやすい、とおっしゃっていましたが、このあたりのことでしょう。確かに登りに使うと、滑りやすいはともかく、かなりの急登です。
15:35登山口にようやく降りてきました。ちょうど養老の滝の上部にあたります。
流れを対岸に渡ります。
落書きされた案内図ですが、一番上の(フェンス→谷に降りる→登山口)のマジック書きがわかりやすく正解です。
坂道を上がると、登りに歩いた林道に出ます。
15:45 駐車場に近づくと、お姉さんが「早かったですね」とお出迎えしてくださいます。
しばらくの雑談のあと、養老の滝見物に行きます。駐車場からすぐです。
16:15「また来てくださいね」の声に送られ、紹介していただいた割引券を持って(養老温泉・ゆせんの里)に行き、冷えた身体を暖めます。なかなかいい温泉です。
温泉から出ると快晴になっていましたが強風が吹いています。温泉から見る養老山地の山々です。
16:15温泉出発。往路を引き返し、関ヶ原ICから名神に入ります。
帰りは渋滞もなく、途中のSAで食事を済ませ、20時ちょうどに帰宅しました。
久しぶりの山は荒れ模様でしたが、やはり山はいいですね。初めて登る山だけに、これで天気さえ良ければ最高ですが・・・・もう一度天気のいい日に再挑戦したい山です。
12時の天気図です。
笙ケ岳から下山中の時刻になりますが、釧路沖で発達中の低気圧から南西に伸びる寒冷前線が、ちょうど養老山地あたりを南下中です。
暖かい空気の高気圧が去り、大陸から冷たい高気圧が張り出してきて寒暖の差が大きいため、前線の活動は活発です。
これまで登山中に一気に12℃も気温が急降下した体験は、あまりありませんので、貴重な体験です。
もっともこのような気圧配置の場合、普通登山は中止しますが、低山であることと山に飢えていた今回は特別です。
[当日のデーター]
自宅6:00⇒姫路東IC(山陽・中国・名神)関ケ原IC⇒R365⇒県道56⇒県道96⇒養老ノ滝駐車場8:30
スタート9:00→登山口標識9:05→林道崩壊地9:40→あせび平(旧牧場跡)10:30→笙ケ岳11:25→(途中で食事15分)→あせび平12:50→笹原峠13:30→小倉山13:45→養老山14:00~14:10→小倉山14:25→笹原峠14:40→三方山14:50→三方山登山口15:35→登山口標識15:40→駐車場15:45
出発16:15⇒養老温泉16:25~17:20⇒往路引き返し自宅20:00帰宅
(走行距離 約460キロ 歩行距離 約16キロ 累積標高差 約1330m)