No264 鈴鹿南部の岩峰鬼ケ牙から臼杵岳へ
天気・晴れたり曇ったり一時雪 メンバー・2人
いろいろ事情があって登山回数も減少気味。今年はこれが最後の山行です。
寒波襲来で雪を避けようとすれば行動範囲は限られてきます。
そこで以前から気になっていた鈴鹿南部の岩峰、鬼ケ牙に行く事にしました。
鈴鹿山系は途中に高い山がないので日本海からの雪雲がぶつかり、結構積雪量は多くなりますが、このあたりは南部の低山なので降っても多くは積もりません。
この鬼ケ牙、山友が今年の春登ったのですが道に迷い、どこをどう歩いたのかわからなくなり、長時間さまよってやっと下山。
苦い経験をしたが、山としては面白いので、とすすめられていました。
6:30自宅を出発。走り屋の方ですが、今日はのんびりモードに切り替えます。
山陽・中国・名神・新名神・東名阪経由で、鈴鹿ICで下ります。
伊勢道の亀山で降りてもいいのですが、走りやすい鈴鹿にしました。
R306から県道302で登山口のある石水渓に向かいます。石水渓の手前で新名神の下を走りますが、その橋脚の高いこと・・・
中央の岩峰が鬼ケ牙で、左の二つの峰、左が臼杵岳で右が臼杵山です。今日はこの三座を巡ります。
道路地図では県道表記は高架橋の先で終わり、それから先は狭い道となって滋賀県側に通じていますが、東海自然歩道も兼ねています。
鬼ケ牙が近づいてきます。
左に美しい流れの石水渓が近づき、キャンプ場を過ぎると左側の空き地に7.8人の登山者が出発の準備をされています。
私も横に駐車します。奈良と大阪ナンバーの2台は同じ仲間のようで、リーダーがコース説明をされています。
のんびり走ってきたので到着時刻は9:10です。準備をしている間に先にグループは出発されました。
9:20私たちも出発。駐車場を振り返っていますが、一番向こうに1台停まっているので、今のところ4台のみです。手前の階段は石水渓に下りる散策路です。
春に登った友達から概略の地図をもらってきましたが、登山地図には今日のコースの一部が難路として記入されているのみです。
またカシミールの地形図は未記入、電子国土の地形図では一部の登山道が記入されています。
左下を流れる石水渓の美しい流れと川床。
10分ほど歩くと鬼ケ牙の登山口に着きました。しかし(工事中立入り禁止)と書かれたテープが張り付けられています。
どこで工事をやっているのだろう・・・工事をしている雰囲気はしないけれど、どうしょう・・・先発のグループはここを登られたのだろうか?
もう少し先にも登山道があり、駐車場があるはず。と言う事はここから登られたのか・・・
迷った挙句、工事中を信じて先を急ぎます。さらに10分ほど歩くと二俣があり、左は東海自然歩道を兼ねた舗装道で県境を越え滋賀県へ、直進は船石林道です。
鬼ケ牙への登山口は林道を少し入った所にあります。車が1台停まっていますが、登山者でしょうか。
立て看板があります。
ならばあの道標の工事中のテープは外し、この看板も向こうの登山口に立てるべきです。
それとも来年の5月14日から始める工事の予告でしょうか?それなら少し早すぎますね。
もう一度戻る気にもなれず、こちらのコースから登ります。
いきなりシダの中を登ります。
高度を上げるにつれ、鈴鹿独特の花崗岩のザレ地が多くなってきます。滑らないように、足に力が入ります。
途中で視界が開け、西方には下山路にあたる臼杵山が、そして長い県境尾根が右に延びています。
「えっ あんな遠いところをまわるの?」Yさんが思わず呟きます。
登山口からの目安のナンバー道標があります。
10:15分岐に着きました。下の看板と同じ内容の注意書きが枝にぶら下がっています。
この分岐が鬼ケ牙本峰の標高点のP488でしょうか?展望はありませんが、先に右折して鬼ケ牙に向かいます。
ロープを頼りに滑りやすいザレ道を登ります。このあたりは松の木が多いですね。
道標番号No3です。
ザレ場に変わって大岩が現れてきました。
10:30木の根がむき出しの狭い山頂に着きました。ここは南峰のようです。
プレートは488mとありますが、488mは先ほどの分岐(本峰)で、南峰は地形図では480+といったところです。
南の岩峰が東峰です。標高はこちらより低く450+です。プレートNoがここまで3だったので、10で終わるとするとあと7つですが・・・
東峰まで行き、もう一度本峰までバックして臼杵岳に回る予定でしたが、Yさんは行く気がないらしく、ここで待つとおっしゃるので、私も諦めることにします。
その東峰からこちらに向かって 賑やかな話し声とともに団体さんが登ってこられ、私たちを見つけると手を振っておられます。
駐車場でお会いしたグループで、やはり立ち入り禁止のコースから登ってこられたそうです。
工事は終わっており、鬼ケ牙の良さは岩峰群を登らないと味わえないとおっしゃいます。
残念!あの看板がいけないんだ、とボヤきます。
本峰まで戻ると次の長坂ノ頭に向かいます。途中から見る長坂の頭。
双耳峰の仙ガ岳(後方)
岩とザレ場のヤセ尾根が続きます。所どころロープが設置されています。体調が悪いのかYさんはしんどそう。
ところどころ樹林帯が切れ視界が広がります。
長坂ノ頭からP756の尾根に出て、県境尾根を歩き臼杵岳、そして臼杵山をまわって下山です。
まだ行程の1/5程度、Yさんが気になり、引き返すかどうか迷うところです。
Yさん「睡眠不足気味だが大丈夫、縦走しよう」の言葉に、出発進行します。
こんな道標があります。作成者自らが命名されたのでしょうか?
この小さなコルを越すと行く手に巨大な岩壁にぶつかります。どこを登るのかと思いきや、左に巻き道があります。この巻き道はロープが設置された激登りです。
急登を登り少し行くと小さなピークです。
ピークからは穏やかな尾根道です。
やがてヤセ尾根の急登になります。
登りきると狭いピークの長坂ノ頭です。
長坂のピークから県境尾根までアップダウンの、ロープあり、岩場あり、の道が続きます。
最後の急坂を登ると、パッと視界が開け、県境尾根の稜線に飛び出します。遠くに三角形の鎌ケ岳も見えます。(矢印)
中央の双耳峰は仙ガ岳で右はアンテナの立つ野登山です。
12:20になっているので 景色を眺めながらお昼にしましょう。鍋焼きうどんをつくっていると、先ほどのグループが登ってこられました。
コーヒーをいただき12:55出発します。このあたりでちょうど半分くらいの距離ですが、あとは尾根歩きと下りになるので、Yさんも元気が戻ってきました。
県境尾根を少し南西に進むと、舟石と呼ばれる岩場に着きます。先行のグループが何やらリーダーの説明を受けておられますので、遠慮がてらに写真をとります。この平べったい岩が舟に似ているのでしょうか?
左側の山が鬼ケ牙で、後方は伊勢湾ですがモヤって見えません。新名神の白いラインがかすかに捉えられます。
下山は右後方の尾根伝いになります。
どこかに立てかけてあったのでしょう私設の標識が、今土に埋れようとしています。
県境尾根を南下します。
安楽越分岐です。鈴鹿の山は道標が完備していますが、ここは一般的な登山の対象外の山らしく、公的な道標は見当たりません。帰りは仙ガ岳(難路?)に下ります。?はあとで誰かが付け加えた様ですね。
分岐からわずか右に進むと臼杵岳頂上です。先発されたグループがくつろいでおられます。
時刻は13:40です。私たちも腰を下ろし、食事からまだ1時間もたっていないのにコーヒータイムにします。
臼杵岳はなかなか雰囲気のいい山頂です。
さあ いよいよ下山です。先ほどの分岐まで戻り、県境尾根と別れて尾根道を下ります。
下ったコルから登り返したピークが臼杵山です。
振り返る臼杵岳。岳と山が隣同士で紛らわしいですね。
少し進むと道沿いに大岩があります。
前方、中央が長坂ノ頭でその後方の双耳峰が仙ガ岳です
新名神が近くなってきました。
さらに少し下ると高さ2mあまりの岩があります。これが臼岩?
その少し下に高さ5~6mはあるでしょうか、杵岩です。
ヤセ尾根を急降下します。ザレ地には要注意です。
目の前には登りに歩いた尾根が、その後方に鬼ケ牙が見えます。
右側の谷から落ちてきた沢と合流します。
下の広場に無事下りてきました。
臼杵山登山口の道標が立っています。
山中には道標がなく、友達が迷って現在地不明でパニックになった、と言っていましたが、絶えず地形図の確認が必要です。
林道分岐に戻ると朝方停まっていた車はありません。途中で周回する予定が疲れたので引き返す、とおっしゃる単独の男性と会いましたが、多分その男性の車でしょう。
舗装道路をテクテク駐車場に向かいます。目の前は鬼ケ牙東峰の岩峰です。場所はわかりませんがクライミングの岩場があるそうです。
15:10駐車場に帰ってきました。9人グループは思い思いにストレッチをされています。
歩行時間は6時間程度でしたが、ザレ地の多いアップダウンの連続で、もっと長時間歩いたような気がします。
本日は温泉なしで真っ直ぐに帰ります。
[本日のデーター]
自宅6:30⇒山陽姫路東IC(山陽・中国・名神・新名神・東名阪)鈴鹿IC⇒R306⇒徳原北交差点右折⇒県道302へ⇒石水渓キャンプ場外れの広場に駐車9:10
出発9:20→登山口9:40→鬼ケ牙本峰10:15→何峰10:30→本峰10:50→長坂ノ頭11:25→県境尾根12:20~12:55→舟石13:00→臼杵岳13:40~13:50→臼杵山14:10→登山口14:55→駐車場15:10
出発15:10⇒往路経由⇒山陽姫路東IC18:00
(走行距離 約340キロ 歩行距離 約8・8キロ 累積標高差 約1010m)