みちくさおじさん山を歩く

No228 御嶽山の展望台・小秀山へ

小秀山(1981.7m) 岐阜県中津川市・長野県王滝村 2012・6・30 (土) 天気・晴れ メンバー・3人

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昨年の5月に続いての小秀山、今日はTさんがかねてから登りたいとおっしゃっていたので、案内役である。
ここまできて一座ではもったいないので、これまでは一泊して2座登っていたが、今回は日程の都合で土曜の午後出発
一泊して一座のみにする。
早朝出発、深夜帰りの日帰りも可能だが、奥深い山で時間がかかるので、余裕をもたせての一泊だ。

小秀山は中央道中津川ICからが一般的だが、土曜日午後出発だと時間的余裕があるので、一度走りたかったR41を北上
下呂温泉の民宿泊まりで計画した。

このR41、かなり以前になるが集中豪雨によるガケ崩れで観光バス2台が飛騨川に転落、国内のバス事故史上最高の犠牲者を出し、並行する高山本線も不通になった。
当時マスコミが連日報道していたこと記憶しているので、どのような危険な場所なのか、走って見たかったのである。

金曜日12:30姫路を出発、名神から東海北陸道に入り、美濃・関Jctから東海環状へ。
そして美濃加茂ICで降りると富山に至るR41だ。ここから下呂まで約75キロ、飛騨川に沿って曲がりくねった走ることになる。

ICから15キロほど走ると人家も切れ、山峡に入って行く。両側から迫った山が急斜面で飛騨川に落ち込み、わずかの空間をR41とJR高山本線が縫うように走っている。
このあたりは「飛水峡」と呼ばれ、飛騨川の激流によって川床が浸食されて出来た絶壁の景観が12キロにわたって続く。
また激流が岩をつぼ状に削ってできた甌穴が1000ケあまりも点在し、国の天然記念物に指定されている。
写真を撮りたくても車を停める場所がなく、核心部を通過、かなり上流まで来てしまい川幅も広がってしまった。
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このあたりがバス転落事故現場。対岸はJR高山本線。
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1968年8月、台風が日本海を北東進で飛騨地方は集中豪雨に見舞われ、名古屋の団体客を乗せて乗鞍に向かっていた観光バス15台がガケ崩れで前進不能。バックして名古屋に引き返す途中、再び前方でガケ崩れ発生でバスは立ち往生。
深夜になってそこに運悪く崖崩れが発生し、濁流の飛騨川にバス2台が押し流されたので、何か所かある飛騨川のダムの水を抜き「水位ゼロ作戦」で捜索、結局107名のうち104名が犠牲になり、一人の遺体が海岸まで流されて発見されたが、10人近くが行方不明になったままという最悪のバス事故がこのあたりで発生した。

17:00下呂温泉の民宿に着いた。下呂温泉は始めてなので食事前に町ヲブラブラ。あちこちに足湯がある。
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朝が早いので一泊夕食のみで6450円。その夕食メニュー。
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空が明るくなってきた4:15宿を出発。R41からR257へ。下呂・中津川市境の舞台峠を下ると左折して 乙女渓谷への農道に入る。但しこの道標は農道側に立っているので、国道を走っているとわかりずらい。
中津川からの場合は下の写真のにぎやかな交差点を右折する。直進は下呂方面だ。
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4:45乙女渓谷駐車場に着いた。さすがこの時間一台の車もない。
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4:50駐車場スタート。キャンプ・バンガロー等の管理棟で登山届を提出。二の谷コースは建物横から登山道は始まる。
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美しい本谷川を渡ると、案内板があり、頂上まで5966m、4時間40分とm単位まで掲示してある。
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深いV字形の乙女渓谷に入ると夜がまだ残っており、古いデジカメでは光量不足で撮影不向きだ。
案内板から少し進むと美しい渓谷”乙女渕”だが、画像を見ると真っ暗。時刻は5時ジャスト。調整してみてこの程度までだ。
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2分ほど歩くと”碧水湖”があるがここも真っ暗なので、明るい時の写真を。
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乙女渓谷は深いゴルジェになっており、一部を除き登山道が付けられないので,立派な桟道や木橋が架けられており、夫婦滝までは遊歩道となっている。
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作年は異常なかったが、崖崩れで桟道が押しつぶされている。
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10分あまりで対岸の崖から勢いよく落下する”ねじれ滝”が見えてくるが、樹木が茂りすぎて全容は見えない。
普通これだけの水量だと、岩が削られ真っ直ぐな流れになるものだが、飛騨流紋岩という非常に硬い岩なので、水に削られることはないそうだ。
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シャクナゲ群生地。小秀山はここ以外にもシャクナゲの木が多い。
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“和合の滝” 二筋の流れが下で一つにまとまっているところから名づけられたのか・・・
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耳を澄ませば乙女のささやきが・・・聞こえてくるのは水の流れだけ・・・・
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看板がなければ通り過ぎてしまう天狗岩。
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展望台の標示があり登って見る。天狗岩の正面になるが、視線は夫婦滝に。アップで撮らないとわからないな。
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5:50避難小屋通過
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少し先にエボシ岩の標示。これも標示がなければ通り過ぎてしまいそう。
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旧夫婦滝展望台。桟道横に崩れた岩が積み重なっているが、以前はここに展望台があったのか・・・
適当な岩を登ると、夫婦滝が見えてきた。
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6:15夫婦滝の男滝、落差80mに着いた。女滝は夫婦の間に張り出した崖の向こう側になり、見えない。
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この標識はキョリ約1.7キロ、標高差380mに架けられた桟道・桟橋の数が55箇所目、参道の長さが5.1mを現す。遊歩道を兼ねて延々と架けられた桟道もここまで。美しい渓谷美から登山の世界に入る。
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ベンチが設けられているので滝を見ながら出発前に朝食にする。
コンビニで買ってきているが、昨夜の宿でタップリ出されたご飯、あまり残すのもどうかと思い内緒で作ったおにぎりを頂くが、これがまた美味い!

今日の道のりは長いのであまりゆっくりはできない。6:30出発だ.
ここからはいきなり岩のゴロゴロした激登になる。
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今日始めての登山者が急斜面をグングン登ってくる。単独のようだ。
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激登りが一段落すると子滝だ。
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小滝の真上に孫滝がある。孫も子も一本の流れになり、勢いよく男滝に流れ落ちる。時刻は6:50、ちょうど2時間かかっている。
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15分ほど登ると鎧岩という巨大な岩があり、登山道は鎧岩を巻いて進む。ちょうどこのあたりで単独の男性い追い抜かれる。
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7:10第一展望台の道標に着いた。
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左に少し登った所が狭いが西側のみ開けた展望台になっている。せっかくだから登ってみると、先ほどの男性が休憩しておられた。
しばらくお話をさせていただくと、横浜の方で昨夜は途中で一泊、仕事の都合で今日中に帰られるそうだ。
今はこのあたりを集中的に登っており、次は奥三界岳に登る予定で、登られていたらどんな山か教えてほしい、と言われる。
奥三界岳はここより南東にある1811mの山だが、私もまだ未登の山だ。
このあともう一度どこかでお会いするでしょうが、お先に失礼します、と先に出発された。

西の展望は狭い範囲で、手前三国山の向こうに1641mの白草山が見える。登山道が整備されており登って見たい山の一つだ。
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距離にして130m先に第二展望台がある。ちょうどこのあたりが中間地点だ。う~ん まだ先が長いな~
ここは第一の少し上、展望もそう違わないだろうから通過する。
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7:45 コース最大の難関と言われる(カモシカ渡り)に着いた。高さ7~8mのほぼ垂直な壁だが、木の根や岩の窪みに足場がとれ、慎重に登ればそう危険な所ではない。
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登りきるとナイフリッジだが、両側は木が茂っているので簡単に通過する。
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すぐにカブト岩眺望個所がある。
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見上げるカブト岩。この画像では頂上の岩の確認はできない。
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8」10 傾斜が緩くなり、やがて下山に歩く三ノ谷分岐に出た。画面左から登ってきたが、下山は右に下る。
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地面に這うようなシャクナゲの蕾。果たして咲くだろうか?
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樹間から、西の空に白山らしき山が覗いた。しかし写真では確認が難しい。そこで思いッきり画像調整すると・・・見えた!
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再び急な登りになる。新しいロープが設置されている。
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北側が開け、待望の御嶽が覗いた!残雪を期待したが融けてしまっているようだ。
しかし御嶽さんが見えるかどうか心配していただけに,満足だ。
こうなると一刻も早く頂上に立ちたいが、まだ先は長い。
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巨大なカブト岩が近付いてくる。
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カブト岩の下を巻く
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8:30カブト岩に到着
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「あ~疲れたわ まだ2キロもあるんや 頂上まで・・・」
登山口からここまで4キロで、急登の標高差1000m、結構きつい山だ。 
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手前右の山が小秀山。頂上の避難小屋が見えている。バックは御嶽山。
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北西には白山がかろうじて確認できる。、。
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白山から南に向かって荒島岳、能郷白山、伊吹山、鈴鹿方面が見えるのだが、すべて雲の中だ。
コーヒーをいただく。見上げる空には美しい卷雲が広がっているが、時間とともに一部は雨卷雲に変わっていく。天気は下り坂だ。(西の姫路では午後からポツポツ雨が降りだしている)
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8:45雄大な景色をもっと楽しんでいたいが、先を急ごう。5分ほど歩くと第一高原だ。高原といっても南側が開けた尾根上の狭い一角だ。「晴れていれば名古屋の町が見えます」の標示。
直線距離で60キロほど。しかし残念ながら一面ガスの世界だ。
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カブト岩までの急な登りから一転、尾根上の緩やかな起伏の道は15分ほどで第二高原に着く。
東側が開けたササ原だ。
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ピンボケのツバメオモト
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ランの一種?
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マイズルソウト白いのはギンリョウソウ
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ドウダン
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イワカガミとマイズルソウ
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やっとシャクナゲを見つけた
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ゴゼンタチバナ
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コバイケソウ
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ようやく頂上の避難小屋が近づいてきた。あとひと頑張りだ。
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第三高原。中央アルプスが見えるが、雲が多い。
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最後のひと登りで9:45、5時間かけてやっと小秀山山頂に到着した。
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二等三角点、点名は小秀山
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少し北に降りた所に岩場があり、御嶽山の大展望になっている。直線でわずか14キロの距離だ。
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東に連なる中央アルプス。雲がかかっているので同定しにくいが、中央右の雲がかかっているあたりが木曽駒、宝剣、三ノ沢あたりのようだ。
中央アルプスの後の南アルプスや、ずっと南の恵那山も今日は雲の中だ。
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2010年7月完成の避難小屋。
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横の草むらの(おこじょの家)
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山頂にはただひとり、先ほどの横浜の男性が食事を終えられ、下山準備をされている。われわれも食事にしよう。
「どこかで会えるといいですね」男性が下山された後、入れかわって若い男女が登ってこられた。
不思議なもので狭い山頂の雰囲気がガラリと変わった。
雲が切れ御嶽の西の裾野に山が覗いた。北アルプスだ。思わず興奮してしまう。最大に拡大してみた。
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次々と登ってこられるので場を譲って下山準備をする。

10:30スタート。すぐ先の避難小屋に寄って見る。土足厳禁なので、入口から一枚。
キレイに掃除がされており、バイオトイレもある。
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小屋前から見る下山方向。それぞれのピークを踏み、右端の小さなコブ、カブト岩まで歩く。遠いな~
帰り道ではカブト岩までざっと40人程の登山者とすれ違う。そのカブト岩には11:25に」降りてきた。
あまりアップダウンがないので登り1時間、下り55分だ。
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11:40二の谷・三の谷分岐に着いた。樹林帯の中をひたすら歩く、どちらかというと退屈な道が三の谷コースだが、二の谷へは下りたくないとおっしゃるので、退屈道に入る。
12:00唯一展望がある鶏岩眺望に着く。
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戦国時代、麓にあった寺が襲われ、ここに寺を建て僧兵たちが軍資金と金の鶏を埋めたといわれている。
ところが江戸時代の大地震で寺は崩壊。明治時代になってその噂を知った村人が金を掘り起こそうとして山に入ったが、そのまま帰って来なかったという。
三の谷の向こうに聳える岩峰が鶏岩。
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ここを過ぎると檜の植林地帯で全く展望はない。名前は三の谷コースだが谷ははるか下で、山腹に切られたジグザク道を黙々と下る。

2009年に訪れた時、カブト岩で地元の人とお話をさせてもらったが、姫路からきたというと「親戚みたいなものやなあ」と言われたことがあった。
それはこのあたりは良質の檜を生産しており、東濃の檜として有名で、1956年から8年をかけて行われた姫路城の昭和の大修理に何本かが心柱として使われたそうだ。

三の谷の流れの音が近くなってきて13:30ようやく登山口の林道に降り立った。1時間50分、長かったなあ。
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ここから駐車場まで約2キロの林道歩きだ。途中に(秀宝水)という水場がある。年中枯れることがないそうだ。冷たくて ウマイ!空いたペットボトルに入れておこう。
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大きくカーブする林道を2か所ショートカットして林道通行止めゲートの外に降りる。
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14:05 8時間15分かかって駐車場に戻ってきた。
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14:20駐車場をあとに温泉へ。帰りはR275を中津川に向かうが、その途中に温泉がある。
14:40 付地峡温泉・おんぼいの湯に着く。「おんぼい」とはこのあたりで生産された木材を、川に流す時のかけ声だそうだ。
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8時間の汗を流し、15:30さっぱりしたところで温泉スタート。心配した恵那から多治見にかけてと名神の渋滞もなく、途中のSAで食事をとり、20時頃姫路に無事帰ってきた。

[参考データー]

6月29日(金)
姫路12:30⇒山陽姫路東IC(山陽・中国・名神・東海北陸・東海環状)美濃加茂IC⇒R41下呂温泉宿17:00
6月30日(土)
宿4:15⇒R41⇒R257⇒小郷農道 乙女渓谷駐車場4:45
出発4:50→夫婦滝展望台6:15~6:20→第一展望台7:10~7:30→カモシカ渡り7:45→一の谷・二の谷分岐8:10→カブト岩8:30~8:45→小秀山9:45~10:30→カブト岩11:25~11:30→分岐11:40→鶏岩12:00→林道登山口13:30→駐車場14:05
駐車場出発14:20⇒R257・R19中津川IC(中央・名神・中国・山陽)山陽姫路東IC19:50 

(走行距離 約790キロ 歩行距離 約14キロ 累積標高差 約1220m)


by hotaka443 | 2012-07-07 20:30 | Comments(0)