みちくさおじさん山を歩く

No174 3年ぶりの夜叉壁と夜叉ケ池

夜叉ケ池~三周ケ岳(1292m) 岐阜県揖斐川町・福井県南越前町 2011・10・26 (水) 
                                           天気・ガスのち晴れ メンバー・4人



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前回は2008.11に登っているので3年ぶりになる。2001.6に始めて訪れたが、初夏の頃はニッコウキスゲが咲き乱れ、感激したものである。
雪深い冬を除いていつ行っても楽しめる、好きな山のひとつだが、通行料金を考えないのなら北陸道・今庄ICから行く方が便利で、実際多くの人が訪れている。
しかしアルプスにも匹敵する夜叉壁の絶壁を見ようと思えば、狭くて長い林道走行があるが、やはり岐阜県側からに限る。 


5:15自宅を出発、集合場所の Iさん宅に。今日はサントリーのITKYのメンバーで、5:35スタートする。中国道の集中工事で渋滞が予想されるが、上りは快調、しかし下りは宝塚東トンネルを先頭に大渋滞している。帰りはどうなることやら・・・多賀SAで朝食をとる。

北陸道木之本ICを降り、R8からR303へ。この303は狭いカーブの連続で、泣きたくなるような滋賀・岐阜県境の八草峠越えがあったが、今ではトンネルが貫通、新しく道路も付け替えられ、快適なドライブコースに変わっている。
岐阜県に入るとほどなく「夜叉民俗資料館」の大きな建物がありそこを左折、あとは約14キロ、川沿いの狭いカーブの連続した舗装林道走りになる。

今日は平日、登山者はいないだろうと思っていたが、駐車場にはなんと16台もの先客がいた。やはり人気の山である。ちなみにナンバーを見ると、大阪・京都が一台ずつで、あとは中京圏ばかりだった。
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8:50駐車場到着、9:05に出発する。雨上がりだが回復は山間部だけに遅れており、山の方はガスに包まれている。
心配なのは雨の後弱いが一時的に冬型になり、北陸から山陰沿岸にかけ、上空1500mで0度の寒気が南下していることだ。
1100mから1300mの稜線歩きは、寒気の影響で荒れているのでは・・・・
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駐車場から階段を下り沢を渡る。このあたりの紅葉はそろそろろ色づき始めたころだ。
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850mあたりまで登ると、しばらくはほぼ等高線沿いの気持ちのいい道が続 く。
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20分近く歩くと、夜叉壁がチラリと顔をのぞかす。上はガスがかかったままだ。
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快適な道は続く。このあたりはイワウチワが群生している。                            
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ゆっくり高度を上げ、美しい紅葉の世界に入ってきた。しかしよく見ると、枯れて茶色く変色した木も多い。
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1/2の標識を過ぎ夜叉壁が近づいてくるが、ガスは取れない。
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10:00幽玄の滝に着いた。夜叉姫にまつわる伝説の説明文があるが、読みにくい。
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荒々しい夜叉壁と昇龍の滝
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滝を過ぎると岩場の急な登りになる。水が流れていて滑りやすい。長いロープが設置されている。
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登りきると県境尾根に出る。ちょうど峠になっており、右は三周ケ岳、左は夜叉ケ池山から三国岳に至る縦走路で、直進してそのまま下ると夜叉ケ池の傍を通り福井県側の登山口に至る。
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峠に立つと予想通り、福井県側から強風とガスが駆けあがってくる。寒い! 夜叉ケ池は夏場と違い寒々しく見える。あれ、景色が変わっている、人工物がふえているのだ。左の湖畔沿いの木道はあったが、正面にも木道が設置されているのだ。
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夜叉ケ池へは階段で少し下って木道を歩くが、その先に夜叉龍神社が祀られてられている。
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夜叉ケ池には「龍神伝説」がある。

美濃の国が大干ばつに見舞われた時、草むらで小さな蛇を見つけた村の長者は「雨を降らせてくれたら娘をやる」と蛇に約束したため、大雨が降って干ばつは救われた。
その後蛇は立派な若者の姿になって娘を迎えにきたので、娘は夜叉姫となって龍の棲むこの池に見を捧げた、という。
娘の名を夜叉といい、池を夜叉ケ池と名付け、龍となった娘を祀るため、池のほとりと自宅に龍神を祀る祠をたてたといわれている。
なお、この長者の子孫は現在も岐阜県で健在で、事前連絡で祠は参拝できるという。          

以前は水際の砂浜で休憩をしていたが、夜叉ゲンゴロウを保護するため木道が設置された、と説明文がある。
瞬間池面を覆っていたガスガ切れた。
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10:35 少し早いがお昼にしよう。木道は休憩するために広く作られ、ベンチも設けられているが食事中の人で狭い。
何とか場所を確保したが風が吹き付け、寒い!ちょうど風の通り道になっているのだ。

食事を済ますと皆さん早々に立ち去って行かれる。寒さで指先が少ししびれてきた。
透き通った池の中では黒くて小さな夜叉ゲンゴロウが元気に泳いでおり、黒いイモリもノロノロと底を這っている。
尚この池は河川への出口がなく、伏流水となって福井県の日野川に流れ出るのでは、と言われている。

11:20寒さに耐えかねてお尻を上げる。このガスと強風だ、三周ケ岳まで行っても展望は無理だし、ただ歩くだけなら帰ろうか、現にほとんどの人が夜叉ケ池まで来て帰っているのだから。じゃ帰るとするか。賛成!
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瞬間、ガスが途切れたのでもう一枚。
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ところが下りかけてから気が変わった。
「せっかく来たんだからやはり三周まで行こう」 に「えつ ホントに行くの?」と不満そうな声が返ってくる。

夜叉ケ池を見下ろす絶景の夜叉ケ池山が南側に聳えており、登山者の姿が見えるが、我々は反対の北に向かう。
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先行の6人ほどのグループの足が遅いのでお先に失礼で追い抜く。相変わらず行く手はガスが遮っている。
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ガスの中から岩峰が次々とあらわれる。
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次第にササの背丈が高くなってきた。3年前はこんなにひどくはなかったはずだが・・・
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踏み跡はしっかりしているし、尾根歩きだから迷う心配もない。ヤブの中はこんな状態だ。
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ガスでササも水分タップリで全身べたべたになる。次々と現れるピーク、景色が見えないので三周ケ岳がどこにあるのかわからない。相変わらず風が強い。
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見覚えのあるピークだ。一番最初にきたとき、大勢の人が休んでいたので、ここが頂上と勘違いして引き返した場所だ。
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ヤブから解放され、ほっと一息つく。誰一人会わなかったが、単独行の男性が向こうからやってきた。
「いやー やっと人に会えました」彼はホットした表情で笑顔を浮かべた。こちらも同じ心境だった。
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12:35やっと三周ケ岳山頂に着いた。頂上は狭く、成長した樹木が周りを取り囲んでおり、展望が効かなくなっている。
三角点は一等で、点名は三周岳だ。
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少し北に寄った所から北方向が見えるが、もちろん真っ白な世界が広がっているだけだ。
しばらくしてから2人連れの男女が登ってこられた。
「先週登ってきたのですが、冠山はどちらの方向ですか?」と聞かれたので
「冠も、能郷白山もだいたい北東方向になるのですが、このガスでは残念ですね」
「せっかく楽しみにやってきたのに残念です。まあ見えた事にして、また出直してきます」
福井から来られたそうだ。しばらくお話をして12:45引き返す。

ガスは相変わらず福井側から強風に乗って運ばれてくる。
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ひたすら歩いてようやく夜叉ケ池の見える所まで降りてきた。正面の山は夜叉ケ池山。
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13:55峠に降りてくる。心なしかガスが薄くなってきたようだ。池のベンチには2人の姿が見える。       
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夜叉ケ池に別れを告げ、さあ下山だ。岐阜県側はどうやらガスが晴れてきたようだ。
空が明るくなると、夜叉壁も登りの時のくすんだ景色から一転、全体的に明るい雰囲気が漂ってきた。
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このあたりが最後の夜叉壁となる。
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若いキレイなおねえさんとすれ違う。14:25こんな時間から一人でどこまで登られるのだろう・・・
「心配でしょう、ついて行ったら・・・」とからかわれる。
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15:10 駐車場に無事帰ってきた。5時間歩行は普通の山だが、強風とガス、寒気、ヤブコギなどで今日は非常に長く感じられた。しかし夜叉壁にご対面できて満足でした。
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15:20 駐車場出発。帰りは木之本ICの少し手前、己高山登山口近くの「古今の夢行き交う宿」己高庵のお風呂を利用させていただく。
16:00己高庵に着く。温泉ではないが、山野草風呂や露天風呂もあり¥500とお手頃。
湖北の山の場合よく利用させていただくが、静かな環境でゆったりできるいいお風呂だ。
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17:00 己高庵を出発、17:10木之本ICに入る。
大きな渋滞もなく茨木ICまで帰ってきたが、中国道の吉川Jctまでの集中工事で5キロ渋滞の標示が出ている。
一車線通行で時間がかかりそうなので、久しぶりに阪神高速経由に変更。吹田SAで夕食をとり、20:10 Iさん宅に帰ってきた。
                                              
[ 参考データー]

山陽姫路東IC5:40(山陽・中国・名神・北陸)木之本IC⇒R8・303⇒池ノ又林道終点駐車場8:50
登山口出発9:05→幽玄の滝10:05→夜叉ケ池10:35~11:20→三周ケ岳12:35~12:45→夜叉ケ池
分岐13:35→幽玄の滝14:15→駐車場15:10
駐車場出発15:15⇒林道・R303・県道281⇒己高庵16:00~17:00⇒県道281・R303・8⇒木之本IC(北陸・名神・阪神高速・第二神明・加古川・姫路BP)市川IC20:00

(走行距離 約550キロ  歩行距離 約9・5キロ  累積標高差 約970m)

by hotaka443 | 2011-10-30 17:09