みちくさおじさん山を歩く

晩秋の南木曽岳 

南木曽岳(1676.9m) 長野県南木曽町 2010・11・14(日) 天気・曇り後晴れ  メンバー2人

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事情があり、年内の雪が降るまでにどうしても登りたい山がある。四国に2座、それとこの南木曽岳だ。
南木曽岳は過去に2回、2004年と2006年に登っているが、何度でも登ってみたい好きな山である。
四国か南木曽か迷ったが、四国は天気がいまいちなので金曜日の夜、南木曽に決めた。

南木曽岳は日帰り圏内の山だが、Hさんに声をかけると、OKの返事。但し日帰りはあわただしいので土曜の夜、仕事が終わってから出発しようということになった。
あわただしいというより、多分私が飛ばし屋なので、日帰りだと時間を気にしてのスピード超過の方が怖かったのかも・・・



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11月13日(土)
18:20 自宅を出発,山陽道に入る。夕方は宝塚トンネルが渋滞するので時間がよめないが、神戸北IC手前から大渋滞だ。
トンネルはその圧迫感から自然にスピードを落とすのが原因。車が多いとあっという間に渋滞が発生する。40分あまり渋滞を抜けるのにかかってしまった。

尚、現在山陽道は神戸Jctで中国道に合流するが、2016年度中に現名神の高槻にJctが出来、ここから新名神が山陽道の神戸Jctにつながる予定。これが完成すると中国道を通らずに名神の高槻Jctまで直行で走れるようになる。あと6年の辛抱だ。

渋滞を抜けると、あとは名神・中央道と快調に走り、22:00 中央道土岐ICで降りる。今日はここまで。

11月14日(日)
のんびり歩いても5時間程なので朝は7:10出発。屏風山PAで昼食を仕入れ、中津川ICを降り、R19へ。
中央道が出来るまではよく走った道だ。
山間部に入ると、木曽川沿いの山の斜面は紅葉で埋め尽くされている。息を飲むほどほどの素晴らしい世界だ。
紅葉が尽きるまで走っていたい気持ちをガマンして、吾妻橋交差点で右折、R256に入る。

静まりかえっている朝の「妻籠宿」を通過、交差点より6.5キロ程先の南木曽岳の看板を左折、林道に入る。
途中にある南木曽山麓キャンプ場の紅葉も見事で、外に出てしばし美しい風景の中に浸る。

8:30 トイレと避難小屋の建つ、登山口に一番近い駐車場に着いた。すでに6台ほど駐車しており、なんとお隣の岡山ナンバーもある。

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8:50 支度をすませ出発。奥に続く林道は少し先で車の進入禁止ゲートがあり、その手前に登山道が右折している。
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すぐに男滝・女滝の道標がある。帰りに寄ってみることとし、自然探勝路になっている道を進む。木々には説明プレートがかけられている。東屋を通過、先ほどの車通行止めの林道にで出た。
少し進むと小さな池があり「金時の産湯の池」の案内板がある。
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植物群落保護林の看板がある。ここは木曽五木のうちの「コウヤマキ」の群生地である。

木曽五木とはヒノキ・サワラ・ネズコ・ヒバ(あすなろ)・コウヤマキをいう。これは江戸時代初期に城郭・城下町・武家屋敷・造船などの建設によって森林伐採が進み、山は荒廃していった。
そこで当時木曽の山を管理していた尾張藩により「木一本、首ひとつ」と言われるほどの厳しい政策がとられるよになり、ヒノキの伐採が禁止された。
ところがヒノキに似たような木に・サワラ・コウヤマキ・ヒバ(あすなろ)・ネズコガあり、誤伐採を防ぐためにこの五木も伐採禁止とした。これが木曽五木である。
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9:10林道登山口に着く。                                
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すぐに沢を渡る橋があるが、かなり老朽化している。大丈夫かいな・・・・
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9:25分岐 だ。ここから時計周りの一方通行になる。険悪な岩場が多く、狭い登山道でのすれ違いが困難だからだ。
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金時の洞窟。覗いてみたが、窮屈なこと。
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4年ぶりだが、登山道がすごく荒れた気がする。岩場の急登が続き、木の階段・ハシゴが多いが、腐って歯が抜けた状態が目立つ。うっかり足を乗せると危険だ。
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登山案内図。
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涸れてしまっている。
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コウヤマキ林に入る。
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大岩にはりついたコウヤマキ。
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10:10 ほとんどの人がここで休憩するポイント。2003年にクサリ場を避けて木道がつけられた。
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カブト岩。笹の上に見えている岩らしい。
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頂上の岩が魔利支天。
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岩場と危なっかしいハシゴが続く。
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10:55 狭い南木曽岳頂上に着いた。樹木に囲まれ展望はない。二等三角点南木曽がある。
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少し先に御嶽山を見る展望大岩がある。11月の黄砂は珍しい、とニュースで騒いでいるが、黄砂かモヤか・・・Hさんはかすかに山頂が雪で白い、とおっしゃるが、私の弱った視力では確認できない。写真ではなおさらだ。
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5分あまり歩くと、私の大好きな日本庭園のような光景が開けてきた。なぜか頭の中にいつも存在している景色だ。三角点のピークより少し離れたピークだが植生が全く異なり一面ササ原になっている。
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赤い屋根の避難小屋内部。きれいに清掃されており、15人くらいは寝泊まりできる。
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11:05 大展望台のピークに着いた。大勢の人が景色を楽しんだり食事をしておられる。
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御嶽から北アルプス方面と中央アルプスの2枚の案内看板がある。
中央アルプスは最南端の摺古木山から空木岳、そして木曽駒まで見えるのだが残念ながら視界が悪い。
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最南端の摺古木山(2169m)。左の方に空木岳があるのだが・・・見えた事にしょう。
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御嶽~北ア方面。
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北アルプスをアップすると、これだけ見えるはず。
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11:45 食事を済ませ日本庭園にさようならしよう。
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振り返えると右端に赤い屋根の避難小屋が見える。左の樹木が茂っているあたりが三角点のある南木曽岳。
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12:00魔利支天分岐に着く。すぐに大岩があり南側の大展望台だ。
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モヤか黄砂か、恵那山は輪郭だけがなんとか確認できる。
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大きな岩の積み重ねの斜面。左のこんもりピークが南木曽岳。
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登り道からも見えていたが、魔利支天の大岩が天に突き上げている
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登りもきつかったが、下りはさらに激下りで、階段の連続となる。
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ほとんど朽ちてしまった階段。
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狭くて急な階段続きだが、いずれも手付かずで荒れ放題。御嶽、木曽駒ケ岳とともに木曽三岳と言われる信仰の山だけに、もう少し行政も整備してほしいものだ。
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13:10 ようやく一方通行の分岐点に戻ってきた。激下りに崩れかけた階段・・・足に力が入り少し疲れた感じだ。
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男滝・女滝に寄ってみよう。
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男滝と女滝。
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13:55 駐車場に帰ってきた。4年前に比べ随分道が荒れているのには驚いた。
特に階段の老朽化は激しいものがある。しかし大好きな山には変わりはない・・・
14:10 駐車場出発。帰り道にある「木曽路館・南木曽温泉」に向かう。 
14:20 温泉は大型バスが数台。土産物、レストランもありすごい人だ。妻籠・馬篭をまわり、そしてここの食事・温泉がセットになっているようだ。
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700円だがお湯はつるつるでなかなかいい湯だ。露天風呂からは紅葉の山が望める。
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15:20 温泉出発。妻籠の宿は大勢の観光客でどの駐車場もぎっしりだ。中津川から中央道に入るが、さっそく次の恵那あたりから渋滞が始まる。15分程の距離に50分かかって土岐Jctに着いた。ちょうど時間的に名神もまた八日市あたりから混むはず。
そこで土岐Jctから東海環状~伊勢湾岸道~東名阪~新名神~名神経由を走ってみることにした。中央道~名神より約35キロの遠回りだが、渋滞もなくスイスイ走れ、かえって早く着く。
夕方の混む時間帯の場合、名神はストレスがたまるので、中央道を帰ってくる場合はこちらのコースがお薦めだ。
新名神土山SAで食事をとり、20:10自宅に帰ってきた。

(所要データー)
宿泊地7:10⇒土岐IC7:20⇒中津川IC7:45⇒R19⇒R256⇒林道へ入り南木曽岳駐車場8:30

駐車場8:50→林道登山口9:10→一方通行分岐9:25→木の橋10:05~10:15→南木曽岳三角点10:55→展望台11:05~11:40→魔利支天12:00~12:05→一方通行分岐13:10~13:20→林道13:30→男滝・女滝13:40~13:55→駐車場13:58

駐車場出発14:10⇒南木曽温泉14:20~15:20⇒R256⇒R19⇒中津川ICより中央道⇒土岐ICより東海環状自動車道・伊勢湾岸自動車道・東名阪自動車場・新名神・名神・中国・山陽道姫路東IC⇒自宅20:10

(走行距離760キロ 歩行距離約8.5キロ 累積標高差約840m)

by hotaka443 | 2010-11-14 23:29 | Comments(0)