敦賀半島の西方が岳~蠑螺(さざえ)が岳
北陸道を走るたび、特に杉津(すいず)PAから敦賀湾に浮かぶ敦賀半島を形成するの山々を眺め、一度登ってみたいと思っていたが、ようやく順番が回ってきた。
6時出発。山陽道から中国道を経由し、無料になった舞鶴自動車道に入る。三連休、そして海水浴シーズンで混むのでは・・・の心配通り、やけに車が多い。そして片側一車線になる福知山ICからは渋滞だ。
8:15 ようやく終点の小浜西でR27に降りる。この先2011年夏に小浜ICまで、そして2014年夏に待望の北陸道・敦賀JCTにつながる予定で工事中だ。
R27で小浜の町抜けると、今度はのろのろ運転のくるまにぶつかる。後ろは行列になっているのに、マイペース。前はガラガラ。たまにこんな車がいるが、状況判断が出来ぬ困った人だ。
美浜を抜けしばらく走ると、ほとんどの車はR27のバイパスに入るが、こちらは旧国道、やっとのろのろ運転から解放され、五木ひろしの「五木茶屋」で休憩。広い店内、あちこちに五木ひろしの写真が飾ってあるが、パイパスのお陰で通行量が減り、店内はガランとしている。
佐多交差点で県道33、美浜原発の標識方面へ左折し、敦賀半島を北上するが、ふたたび通行量が増える。
海水浴場が多く、あちこちの駐車場はすごい車だ。
水晶浜(若狭で最も美しい一面白く輝く砂浜)あたりで海岸から別れ右折、敦賀半島をトンネルでぬけ、半島反対側の東海岸へ出る。海岸線を少し北に走ると、常宮神社があり、神社の駐車場を借りる。9:30
安産の神社として有名らしく、石柱が立っている。また秀吉が持ち帰った新羅製の朝鮮鐘を所蔵しており、国宝に指定されている。
9:40 支度をして神社の境内を進む。
神社を抜けると、登山口の標識がある。
民家の中を進むと田畑が広がり、やがて山道に入る。すぐに階段となり、続いてプラ階段に変わる。敦賀原発に向かう高圧線が2本走っており、巡視路にもなっているようだ。樹木の間から展望台らしい岩場を見上げる。
結構急な登りが続くが、Yさん、どうも体調が悪いのかピッチが上がらず、しんどそう。
左手に奥の院展望所の標識の立つ大きな岩があるが、Yさんに気を取られ全く気付かず通過。下から見えた岩だ。
10:50 洞窟の中からきれいな水が流れ出る(銀命水)に着いた。
フラッシュをたいて中をのぞく。コップが置いてあるが、汚れているので手すくって飲むが、うまい!
このあたりが西方が岳までの中間点だが、Yさん大丈夫かな?と心配になる。「のんびりマイペースで登るので、先に行ってて」
それじゃ、と先に行くことにする。「聞く石」の看板。近寄って見るが、平凡な岩だ。謂れがあるのだろうが・・・
11:15 オウム岩に着く。説明の看板は読みずらいが、高さ10m、横20mとある。但し崖下からのサイズだ。
南には敦賀湾と敦賀の町が広がっている。素晴らしい展望だ。
海岸線の右の方に、日本三大松原(静岡美保の松原・佐賀虹の松原)の気比ノ松原が見える。約17,000本の松が群生している美しい海岸だ。
真正面後方には、敦賀富士の野坂岳がひときは高く聳えている。
10分ほど待ってYさんが到着した。かなりお疲れの様子。引き返そうかというと、せっかく来たのだからサザエまで行く、と強気だ。ただ気を使うので先に行ってほしい、の言葉に従う。
オウム岩を過ぎ、しばらくすると登りも緩やかになり、とっても美しいブナ林に変わる。1000~1500mあたりの標高に生育するといわれるブナだが、ここはがわずか600mあたり。雪国のブナは低標高に順応しているのだろう。
12:05 西方ガ岳に着いた。周りは樹木に囲まれ、西の端に避難小屋が建っている。
はてな?素晴らしい展望が広がっているはずだが・・・あたりを見渡すと、東側の木立の中に道が消えている。中に入ると前方突き当たりに大岩が見えるのでよじ登ると、うわ~キレイ!とその素晴らしい光景に思わず叫んでしまう。
敦賀湾と敦賀の町。
波静かな敦賀湾。
左から二つ目の山頂に岩が見える頂がさざえが岳。
待つこと15分、Yさん意外と元気そうな表情で到着。素晴らしい展望を眺めながら食事にする。時を忘れ、心ゆくまで海を見つめているのもいいだろうな・・・・
12:50 さざえまで頑張る、のYさんの声に出発。小屋の左に縦走路はあるが、少し進むと三角点の標示がある。いくらさがしても見当たらなかったはずだ。
2等三角点西方ケ岳は、全く展望のない一角に設置されていた。
20分ばかり歩くと、カモシカ台と尼池の分岐に着いた。Yさんは登りがあるので行かないという。
それじゃ、と縦走路を西にそれ少し登ると、半島の西側も望める素晴らしい展望台に出た。海に突き出た岬に美浜原発の建物が見える。写真には写っていないが、遥か西の方に青葉山らしき山容が望めるが、すこしもやっている。
敦賀半島は花崗岩で形成されており、いたるところに大岩が点在している。こちらは東側の展望。岩の上に登りたかったが、Yさんが気になり先を急ぐ。
縦走路に出る手前に尼池の道標があるので、せっかく来たのだから、ついでに寄ってみよう。
雑草の茂った道を少し進むと、藻で覆われた小さな池に着く。これが尼池だ。
縦走路に戻りサザエに急ぐ。半島の尾根道だから、絶えず展望が開けているものと思っていたが、ほとんど樹林帯の中を歩く。夏場は直射日光をさえぎってくれるので救われるだろう。
13:40 3等三角点サザエが岳(点名螺ケ岳)に着いた。一足先に着いたYさんは元気そうだ。
こちらも山頂は狭い。せっかくの道標も禿げてしまい読みずらい。
半島東側を見下ろす。明神崎の水島が、青い海に浮かんでとっとも印象的だ。この水島の右端後方あたりに白山が位置しているのだが、残念ながら確認できない。直線距離でわずか85キロだ。 、
ところで最初の地形図とこの写真を見ていて、思わぬ大発見をする。
この地形図は何年の空中撮影かわからないが、写真では一つの細長い島なのに、地形図では二つの小島になっている。
新しい地形図は写真のように一つの島で描かれていて、位置も多少異なっている。
このあたりは浅瀬で潮流の影響などで変化しているのだろうか?それとも隆起しているのか・・・興味あるところである。
そういえば大昔の琵琶湖は三重県の伊賀盆地あたりにあったが、年々北上していて、いずれは日本海につながるといわれている。学者さんが色々地質を調べての結論だから間違いないのだろうが、日本海につながるとすればここ敦賀あたりだろう。
さてサザエからのコースだが、北東の浦底に降り、タクシーで駐車場に戻る予定だった。しかし登山前にタクシー会社に電話し、浦底まで来てもらえるか確認したところ、あいにく三連休に海水浴シーズンが重なり・・・とつれない返事。一日3本のバスは浦底18:18のみ。
そこでサザエまでの縦走、ピストンに変更したのだが、しかしKさん、体力は回復したがあのアップダウンの道を引き返すより、裏底に降りたいとおしゃる。浦底まで約3.2キロで、海岸沿いの車道を車まで約7キロある。
Yさんには無理をせず浦底に下山していただき、私は約6.5キロを引き返し、車で浦底までYさんを迎えに行くことにした。
サザエは少し離れたところに素晴らしい展望所があるらしいが、パスして13:50 Uターンする。 一人だと早い。40分で西方ガ岳通過、銀命水で美味しい水をいただき、ひたすら下りる。
15:35 登るときに気がつかなかった奥の院展望所で一休み。ここで敦賀の町も見納めだ。
15:50 サザエから2時間で駐車場に到着。神社境内を勢いよく流れる谷川の清流で体をふき、浦底に向けスタート。点在する海水浴は大勢の人で賑わっている。
16:10 Yさんの待つ浦底の登山口 に着く。のんびりと歩き、少し前に降りてきたそうだ。
16:20 本日のハプニング登山は終了、帰途に着く。途中車を停め、山頂から眺めたあの水島を写す。
写真ではわかりずらいが、左右の小島は陸続きで、右の小島の手前の船の向こうはすごい人。離れ島なのであの船が迎えに行っているのかな?
これだけの海水浴客が集中している敦賀半島、帰り道を心配していたが、予想通り車が走らない。
退屈しのぎに2回登った三十三間山と1度だけの野坂岳を写す。
ようやく舞鶴若狭道にたどり着いたが、ここも地獄。福知山までの片側一車線区間は渋滞で走らない。
ガラガラの中国道に入ってからは欲求不満解消のスピードで、21:40帰宅する。
(所要データー)
自宅6:00⇒山陽道姫路東IC・中国道・舞鶴若狭道小浜西IC⇒R27⇒五木茶屋9:00~9:10⇒県道33⇒県道141⇒常宮神社駐車場9:30
駐車場スタート9:40→銀命水10:50→オウム岩11:15~11:30→西方ガ岳12:05~12:50→かもしか台13:15→尼池13:20→サザエガ岳13:40~13:50→西方が岳14:30→オウム岩14:50→銀命水15:05→奥の院展望所15:35→駐車場15:50
駐車場出発15:55⇒県道141浦底登山口16:10⇒県道141・33・R27⇒小浜西より舞鶴若狭道・中国道・播但道⇒自宅921:40
(走行距離 475キロ 歩行距離 約13キロ 累積標高差約900m)
次は2010・7・20(火)ちぎり橋より、滝山~那岐山ピストンです。