みちくさおじさん山を歩く

11年ぶりの大山・甲ケ山

矢筈山(1358・4m)~甲ケ山(1338m) 鳥取県大山町・琴浦町 2010・5・16 天気 快晴 メンバー3人
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矢筈山から見た(左)甲ケ山と(右)小矢筈  少し霞んでいるがバックは日本海


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東面に切り立った崖を持つ甲ケ山は、アプローチの長い山である。
北側の船上山、東側の一向平(いっこうがなる)キャンプ場から、そして一番距離の短い北西側の川床からの3コースがある。もうひとつユートピア避難小屋から下りてくるコースもあるが、これは一般的でない。
甲ケ山は最短の川床からでも約4時間かかるので、往復するとなると時間的余裕が必要となってくる。

11年前、初めて登った時は船上から甲を越え、さらに1時間余り先の矢筈まで足を伸ばしたが、残念ながら記録は残っていない。
3年前には同じく船上から甲を目指したが、手前のゴジラ岩上で5名のうち2名が強風のせいもありリタイア。川床からは何度も矢筈山までは来ているが、最近では昨年11月、甲を目標に来たものの、矢筈でガスと強風でやむなく撤退している。              
ちょうど半年後の今日は天気も最高、甲まで縦走する意気込みでやってきた。
           

6:00 自宅をスタート、R29から中国道山崎ICに入り、米子道の鳥居トンネルを抜けると大山の美しい山容
がいきなり目に飛び込んでくる。
溝口ICで降り、川床の駐車地点に8:10到着する。先客の車1台と、マイクロバスの10人ほどのパーテイが下車するところだ。
登山口のすぐ前の空き地は4台分程のスペースしかなく、時間が遅いと駐車場所を探すのが大変だ。
8:20 支度を済ませ出発する。登山口にある看板。これは裏大山ともいわれる、川床から一向平まで9キロのハイキングコースの説明だ。
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道路から阿弥陀川まで一度下り、急流にかかる阿弥陀橋で対岸に渡る。最初は少し急な道登りだが、やがてのんびりした登りのブナ林の道に変わる。30分余りで香取分岐に着く。案内図によると距離からして岩伏別れだが、地形図には載っていない道だ。
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ブナの深緑が蒼い空に映えてとっても美しい。
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ミヤマカタバミがとってもかわいいので思わずパチリ。
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ブナの大木の中の道はほぼ等高線沿いに緩やかで、途中から歴史を感じさせるコケむした石畳に変わる。
石畳みが終わるとやがて大休峠避難小屋が見えてくる。四方から登山道が集まる大休峠だ。
10:00 避難小屋着。周りはマイクロバスの一行も休んでおり、賑やかに話がはずんでいる。         
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小屋の傍の道標。左野田ケ山方面はユートピア小屋へ、目的地の矢筈・甲は右の船上山方面に行く。
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10:15 出発。ここから1300mの標高点まで約180mの急登だ。
一部ササに覆われてわかりずらい所もあるが踏み跡はしっかりしている。樹木が切れ素晴らしい展望が開ける場所に出た。烏ケ山だ。烏を北側からみる機会がほとんどないだけに、すごく新鮮だ。
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振子山の後に大山がのぞいている。天狗ケ峰から左槍ケ峰にかけての岩峰のようだ。ユートピア避難小屋も見える。右は三鈷峰。
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岩肌の急斜面を直登すると,ほどなく1300m標高点の尾根に出る。このあたりまで登ると、木々はようやく冬から目覚めたといったところだ。足元にはマイズルソウがびっしりと地面を覆い、延々と続いている。あとしばらくすると花のシーズン、これだけの群生が一気に花を付けるとすごいだろうな。
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サンカヨウ
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なだらかな尾根も矢筈ケ山の登りで傾斜を増し、11:20山頂に着いた。360度、遮るもののない素晴らしい展望が広がっている。一等三角点二子山がある。東側から見るとすぐ北の小矢筈のピークと二つ並んで見えるところから、地元では双子山と呼んでいるとか。点名の二子山もそこからきているのかな?
△点標柱の温度計は23度で、風もなく汗ばむ陽気だ。
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狭い山頂はマイクロバス御一行が食事中なので、お腹も空いたが甲ケ山までガマンすることにして出発。次に向かう小矢筈の岩峰。始めてきた人なら、これどうやって登るの?と思うほど尖がっている。
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小矢筈の向こうにはきれいな円錐形をした甲ケ山の岩峰。
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矢筈と小矢筈のコルまでは激下りだ。地形図から読むと小矢筈頂上は1310mほど。コルが1290mあたりだから、正味小矢筈の登りは20m程だが、迫力あるな~
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足場はしっかりしており、注意して登れば問題はない。
11:35 大きな岩からなる狭い小矢筈頂上に着くが、すぐ北にもう一つピークガある。標示がないのでどちらが頂上かわからないが、向こうの方が高そうだ。
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こちらも定員数名の大岩の頂上だ。すぐ目の前にそびえる甲ケ山。
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矢筈ケ山を振り返る。後方には烏ケ山が。
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小矢筈からの下りも激下りだ。尾根筋はタムシバが満開で、タムシバロードといった感じだ。雪国だけあり、かなり花期は遅い。
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タムシバは背が高く、見上げるもの、とのイメージがあるが、ここは背丈ほどの高さだ。冬季は風雪が強いので背丈が伸びないのだろう。タムシバの花ビラを目の前でゆっくり観察する。そういえば昨年登った雪国福井
の平家岳も背丈ほどの低木だったなあ。
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南側から見た甲ケ山の岩峰。
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               切り立った岩場の下を巻く。
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いよいよ最後の急斜面に取りつく。
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ちょっとしたアルプス級の岩場に心がはずむ。
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12:20 甲ケ山頂上に着いた。バックは大山、素晴らしい展望だ。頂上は狭く、三角点はない。
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振り返ると左に小矢筈、中央が矢筈、その後方に烏がのぞく。小矢筈は矢筈からの眺めが一番いいと思う。
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残念ながらすぐ北の日本海方面はモヤっており、見通しは悪い。
360度の大展望を楽しみながらお昼にする。単独の男性が食事中で、北側の船上山から登られて、矢筈には行かずにここから引き返されるそうだ。
食後、甲の北側船上山へ下る道にある恨みのゴジラ岩を見に行くが、もう少し下らないと見えないようだ。3年前、船上山からはるばるやってきたが、あと一息のゴジラ岩が越せなかった記憶がよみがえる。
13:10 十分展望を楽しんで下山にかかる。頂上から見下ろす登山道。結構な高度感だ。
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14:05 小矢筈通過。 14:25 誰もいない矢筈ケ山に戻ってきた。15分程休憩し14:40スタート。
15:20 大休峠避難小屋着、時間が遅いので誰もいない。20分程休憩し15:40出発。ここからはハイキングコースだ。ブナの深緑の中、小鳥のさえずりを聞きながら17:00ジャストに駐車地点に戻ってきた。
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登山者の車は私の一台だけ。過去何度かここに駐車しているが、横の看板を眺めた事がなかった・・・・
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17:10 約9時間の山旅を終え、帰りはおなじみ(やつか温泉快湯館)で汗を流し、山崎IC降りてから美味しいラーメンでお腹を満たして、21:10帰宅する。
11年ぶりの甲ケ山、好天に恵まれ素晴らしい展望、ちょっとしたアルペンムードの味わえる矢筈ケ山~甲ケ山間、楽しい一日でした。
なお個人的の感想では、矢筈ケ山~甲ケ山~ゴジラ岩間がこのルートのハイライトだと思う。

(所要データー)
姫路・自宅6:00⇒R29⇒山崎ICより中国道~米子道・溝口IC⇒県道45・158・30→川床駐車地点8:10
出発8:20→香取分岐8:55→大休峠避難小屋10:00~10:15→矢筈ケ山11:20→小矢筈11:35→甲ケ山12:20~13:10→小矢筈14:05→矢筈ケ山14:25~14:40大休峠避難小屋15:20~15:40→駐車地点17:00
出発17:10⇒県道30・158・45⇒溝口ICより米子道・蒜山IC⇒R482⇒快湯館18:00~19:00⇒R482
⇒湯原ICより米子道~中国道山崎IC⇒R29⇒自宅21:10
(走行距離 約360キロ 歩行距離約14キロ 累積標高差 約880m)


[前回2009・11・15矢筈ケ山あり]                  
by hotaka443 | 2010-05-17 07:40 | Comments(0)