No472-2北アルプス奥穂高岳~岳沢~上高地
4:58穂高岳山荘からのご来光。雲海に浮かぶ常念岳の右肩あたりから顔を出します。
画面右端のP2512、ほんの少し頭を出してかわいいですね。
食事をいただいて5:25出発、快晴です。ただ登山者の姿が全く見えません。今日の予定は前穂はカット、紀美子平から岳沢経由で上高地へ下山、今日中に帰宅すると決まりました。前穂往復約1時間だけのんびりできそうです。
いきなりの垂直なハシゴです。しかし今は一人の登山者の姿もみえません。混雑時は行列になりますが、私たちだけです。まだ身体が固いので一歩一歩慎重に登ります。
ハシゴを登りきり岩場に立ちます。ここでも登山者はゼロです。大勢の登山者で小屋は賑わっていましたが、かなりの人が出発されたのか、私たちが最後の方なのでしょうか。
10分ほど登った所から小屋を振り返ります。手前のはP3119で右が涸沢岳。
登ってくる人がいないのでゆっくり登ります。
わずかな岩の隙間から、「おはようさん 気をつけてね・・・」
岩稜地帯を歩きますが 30分近くたっても依然として人の姿は見えません。
小さなピークを越えると,飛び込んできましたジャンダルムが!
頂上と左側の壁に取り付く一人の姿が確認できます。一度は挑戦したいと思いながら、とうとう機会がありませんでした。
奥穂山頂が見えてきました。
山頂直下のジャンから西穂への分岐点の標識。文字が消えかけていますが右方向がジャンで、数人が下って行かれます。
6:05奥穂高山頂に着きましたが、狭い山頂は登山者で満員。しばらくは頂上下で待機です。
南の展望。右からジャンダルム・焼岳・乗鞍・御嶽と並んでいます。左は霞沢岳です。
西方向には笠ケ岳。左はジャンダルムで笠ケ岳との間後方に白山がうっすらと浮かんでいます。
ジャンダルムをアップすると、登山者が1人増え2人の姿が確認できます。
西から北へ、笠ケ岳から槍ケ岳までのパノラマです。天気快晴、素晴らしい展望です。
槍ケ岳を中心にアップ。懐かしい山々が一望です。
順番が回ってきたので山頂に立ちます。
頂上には3mの立派なケルンが積まれ、穂高神社の山宮が祀ってあり、記念写真を撮る人が次々と登って行きます。
このケルンは開拓者の今田重太郎氏が北岳の3192mに負けてたまるか、と3m石を積み上げ、穂高岳は3193mで日本2番目の高い山だ、と国土地理院に申請、しかしケルンは人工物だから、と認められなかったといわれています。なお三角点はなく、お隣の涸沢岳と前穂高岳、そして西穂高岳に設置されています。
尚北岳は2004年登山者の声で再測量の結果、従来の三角点(3192.18m)より南南西28mの岩盤の方が80㎝ほど高いことがわかり、以後北岳の標高は3193mに訂正されています。
山頂に立つとまず富士山を探します。手前の岩峰は西穂高でその左遠方が八ケ岳連峰、少し間をあけて右が南アルプスで、その左肩にうっすらと見えました富士山が。写真ではわかりずらいかな?
アップするとはっきり確認できます。富士山の右は甲斐駒ケ岳でその右のコルは北沢峠です。
私たちのあとから次々と登ってこられますので、20分余りで山頂を後に吊尾根に向かいます。
中央左は前穂で右へ明神岳に向かって鋸のような岩峰が並んでいます。
吊尾根途中から槍を見る。前穂に行かないので、この辺りが最後の槍方面の展望でしょうか。
前穂高をアップすると、重太郎新道の激下りが確認できます。以前重太郎新道から登ったことがありましたが、私には下山用の道です。
いくつもの小沢が集まって岳沢になりますが、このあたりがその源頭部の一つ。
前穂高岳が近くなってきました。
8:10多くの人が休憩されている狭い紀美子平に着きました。ザックを置いて前穂高岳に登られている登山者の姿が見られます。往復で40~50分程度の距離ですが、皆さんはなぜかその気無し。ここで待っているので1人で登ってきたら、と言われますが、私もお付き合いしましょう。
奥穂高から西穂高に続く美しい尾根。しかし尾根上の登山道はアルプスで最も険しい熟達者向きで、尾根の中央一番高いピークが西穂高岳です。西穂山荘から西穂までは登りましたが、その先奥穂までは勇気がいりそう。初心者でも歩いた人が何人もいますが・・・
紀美子平は、開拓者の今田重太郎氏が5歳の紀美子を遊ばせて道づくりをしたことから、紀美子平と名づけられました。
吊尾根から奥穂高岳を振り返ります。吊尾根のコルからヤリの頭がのぞいていますが、位置関係がよくわかりません。涸沢槍?
15分ほど展望を楽しみ、いよいよ重太郎新道の激下りです。画面中央左端に上高地の赤い建物が、また画面中央やや下の平らになった岩場に大勢の人の姿が見えます。岳沢パノラマの展望台あたりでしょうか?
下り始めると急な一枚岩のクサリ場に出ます。経験の浅い人には足がすくむような斜面です。
濡れていると厄介ですが、慎重に下ります。クサリ場の下部は特に問題はありません。
どんどん下ると石畳状の雷鳥広場です。名前の通りここに雷鳥が集まるのでしょうか。もちろん今はその姿はありません。
9:10紀美子平から遥下に見えた岳沢パノラマの展望台まで下りてきました。赤い屋根の岳沢小屋が見えます。左には上高地の赤い建物も。15分ほど休憩して、下の岳沢小屋を目指しましょう。けどまだ遠いな~
岩稜地帯から下るにつれダケカンバが見られるようになりますが、岩混じりの急斜面は続きます。
次々とクサリやハシゴが現れます。
10時ジャスト、カモシカの立場です。この岩場に立ち、カモシカが下界を眺めるのかな?
越前大日山の麓で偶然対面したニホンカモシカ。4~5mに近づくまでジッと私を見つめていました。近くでカモシカを見たのはこれが初めてです。
危険個所は一方通行。
またハシゴです。今度は長いぞ!
狭い岩の間、通れるかな?
やっと岳沢まで下りてきました。流れのない岳沢を横断すると岳沢小屋が待っています。
10:55登山客で賑わう岳沢小屋に到着しました。穂高岳山荘から5時間半、岩場歩きは終わりました。
以前はここに岳沢ヒュッテがありましたが、2006年の豪雪で倒壊、2010年に槍ケ岳山荘グループによって再建され、岳沢小屋としてオープンしています。
名物のソフトクリームをいただきますが、暑さと疲労した身体にはたまりません。なんと美味しかったこと!
聞くところによると、上高地から岳沢小屋まで登ってきて、ソフトクリームをいただいて帰る人もいるそうです。アルプスの中では小さな小屋で定員60人。休憩中に「本日は満室になりました」の案内を入口にかけておられました。
30分休憩の後、いよいよ上高地に向け11:25出発します。
ジグザグ道を20分下ると、「胸突き八丁」の道標があります。
さらに30分ほどで中間地点です。
上高地が近づいてきました。
天然クーラー風穴です。汗がスーと引き、生き返った気持ちです。
登山口道標の立つ治山運搬路に降りてきました。
その先すぐに自然探勝路に出ます。上高地はあと700mです。
この辺りは美しい岳沢湿原が広がっています。
雰囲気のいい木道を歩きます。
正面は六百山。右の霞沢岳はガスに包まれています。
河童橋に帰ってきました。
橋の上から見る穂高はすでに雲の中。岳沢の下部だけ望めます。
13:40バス停に到着、所要タイムは8時間15分。休憩を入れてもかなりのんびりしたペースの山旅は終了しました。
さてアカンダナ駐車場行きのバスですが、次の次の便まですでにいっぱいとのこと。そんなにのんびりできないのでタクシーを利用します。有料料金込みで¥6040。
1人¥1510でバスより少々割高ですが、本日中に帰りたいので奮発しましょう。
車に帰ると次は温泉です。平湯温泉のR158沿いにある(ひらゆの森)に入ります。
大きく立派な建物ですが、中に入るとかなりの年月を感じさせる設備です。
観光客や登山者で大賑わいです。¥500と少々安い料金設定です。
1時間ばかり山の汗を洗い流し、15:40温泉を後に往路を引き返します。
ひるがのSAで早い夕食をすませ姫路到着は21時、往路とほぼ同じ走行時間は約5時間でした。
久しぶりの穂高はやはり岩の殿堂、歩きごたえのある山で展望にも恵まれ、最高の山行でしたが、できれば槍~穂高縦走も平成11年が最後、ぜひ挑戦したいですね。
あの時は途中から一緒に歩いていたご夫婦の奥様が飛騨泣きで滑落死。その時の悲鳴が脳裏に焼き付き気が進まなかったけど、気持ちの上ではとっくに時効。元気な間に登っておかなければ と思う昨今です。
[データー]
穂高岳山荘5:25→奥穂山頂6:05~6:30→紀美子平8:10~8:25→雷鳥広場8:45→岳沢パノラマ9:10~9:25→カモシカの立場10:00→岳沢小屋10:55~11:25→胸突八丁11:45→中間地点12:15→登山口13:15→バスターミナル13:40 タクシーでアカンダナ駐車場に移動
駐車場14:20⇒ひらゆの森温泉14:30~15:40⇒R158⇒県道89~457⇒中部縦貫高山IC~東海北陸~名神~中国道~播但道姫路21:00
(歩行距離 約9キロ 累積標高差 約260m 往復走行距離約880キロ)
※前編の上高地から穂高岳山荘までUPから遅れること約2週間。やっと後編UPにこぎつけました。
最近家庭環境の変化で思うように時間が取れず、昨年末から24座が残ったまま。
季節が進んでいるので、今更雪山でもあるまいし、さ~てどうするか・・・