No296能郷白山と酷道157
能郷白山に登ってみたいとおっしゃるHさんと Iさんを案内して、私には昨年10月以来の能郷白山行きです。
これまで何度も登っていますが、日帰りなのでいずれも短時間で登れるR157の温見峠からばかり。
もちろん今回も、です。
行きは時間計算のできる福井県側から入り、帰りは昨年10月に8年ぶりに災害復旧した岐阜県側に下ります。
あの能郷地区の有名な(落ちたら死ぬ)の立て看板は今も健在でしょうか。
5:10山陽道姫路東ICに入り、草津PAで朝食をいただき、福井ICを8時に出ます。
R158から大野でR157に入り南下、9:25に登山口の温見峠(ぬくみ)に到着しますが、福井県側、岐阜県側も路肩にズラリと車の列。
ざっとその数30台以上は停まっているでしょうか。岐阜県側より福井県側を見る。
駐車場所を求めて、岐阜県側に200mほど下った路肩に駐車します。
天気快晴、この時期にしては絶好の登山日和です。
能郷白山とは相性が悪く、来るたびにガスに閉ざされ、山頂からの展望はいつもおあずけですが、今日は大丈夫でしょう。
峠の頂上に登山口があります。この登山道は1988年の開通です。
最初は雑木林の道ですが、やがてみずみずしい新緑のブナ林にかわります。
サラサドウダンの木が多くなり、目を楽しませてくれます。
30分ほど歩くと道標があります。
やがて道は急斜面の激登です。雨に深く削られているため足場をさがしながら、むき出しの木の根や岩の助けを借りて登ります。何か所かロープが設置されたところもあります。
ユキザサです。
続いてコバイケソウがお出迎えです。
キジムシロ?
タニウツギは今が盛りです。
サラサドウダンが延々と続きます。
マイヅルソウもあちこちで群生しています。
ビッシリと花を付けたタニウツギ。
ホウチャクソウ
サンカヨウです。
まだ花をつけたエンレイソウがありました。
コバイケソウが多くなってきました。
まだイワウチワが残っていました。
標高1550mを過ぎると傾斜が緩くなり、雨が降ると湿地のようになる所があります。当然植物の成長は盛んで、またこのあたりは豪雪地帯だけに、横に這った木が多く見られます。
山頂が見えてきましたが、同時にまたガスが流れてきました。また今回も展望はお預けか!下では快晴だったのに・・・これが山のお天気です。
ガスが切れ 白山権現社の祠が見えました。この風景も始めてです。
11;40一等三角点、能郷白山山頂です。山頂は狭く灌木に囲まれていますが、白山や北アルプスが見えるそうです。しかしその方向は残念ながらガスの世界です。
ほとんどの登山者はここは素通りして、200mほど南の祠の建つピークに向かいます。ガスが切れ、そのピークが見えてきました。
途中に一か所登山道すぐ下に雪渓が残っており、近づくと涼しい風が吹き上げてきます。
あれ!まだカタクリが咲いている。驚きです。
ショウジョバカマも
そうか、雪渓上吹き上げてくる涼しい風を受け、ここだけ季節が遅れているのだ、いや、最近までカタクリのあたりまで雪渓が残っていたのかな、と納得。ピーク手前はコバイケソウの花道です。
11:50 祠のピークに着きました。大勢の人が思い思いに休憩されています。
数組の若い人のグループが、活気と華やかさを連れて次々到着。山全体の雰囲気が明るくなってきます。
食事の場所を確保し、西の特徴ある冠山を探しますが、その方向のガスはなかなか晴れません。
南方のガスが薄くなりましたが、これだけでは同定不可能です。伊吹山や鈴鹿の山並みが見えるはづですが・・・展望は諦め食事にしましょう。
さすが人気の山だけあり、食事中も次々と登ってこられます。
コーヒーをいただきながら、ガスが晴れるのを待ちますが、次から次に流れてきます。
12:40展望は諦め、次の登山者に場所を譲って下山しましょう。唯一残っている雪渓を見下ろします。
日あたりのいい場所ですが、最後まで残っているのは冷たい風の通り道?しかしあとわずかの命です。
かなり下った時 東側のガスが晴れてきました。矢印が先月の連休に登った舟伏山のようです。
滑る足許に気をつけながら下っていると、北側のガスが晴れてきました。
正面が花の山姥ケ岳で、すぐ左が銀杏峯(げなんぽ)で、その左は部子山(へこやま)。右画面から切れていますが荒島岳があります。
滑りやすい激下りで何度か足をとられながらも セーフ!
14:10登山口に降りてきました。
多くの車がすでに帰ってしまい、道路はガランとしています。福井県側から岐阜県側を見ます。
岐阜県から登ってくると、福井県大野市の立派な県境の標識があがっていますが、岐阜県側には標識はありません。
14:30 帰りは岐阜県に下ります。全身汗まみれ、早く温泉に飛び込みたいけど、少し時間がかかります。
途中に3ケ所ほどある 洗い越し も水量が少なく難なく通過します。
通行止めになっていた極狭路の(落ちたら死ぬ)区間は部分的に路肩がコンクリートで固められたところがあり、崖側の法面が新しく修復された箇所が数か所あります。
福井県側は拡幅工事や新しいトンネル工事も進んでいますが、山と深い谷に挟まれた岐阜県側は、難しそう。離合困難不可箇所が多いので、対向車が来ないことを祈りながら走ります。
ここが長年通行止めになっていた崖崩れ現場の一つでしょうか。
走ってみると以前の記憶とは全く違い、どこにでもある山間部の道路で、ここだけ特別危険というわけではない様な気がしました。
(落ちたら死ぬ)の看板が、あまりにも有名になりすぎたためでしょう。
冠山に向かうR417に抜けられる県道270を見送り、やがて淡墨さくらの根尾です。
ついでだから桜の木を見て帰りますが、先に温泉です。
うすずみ温泉は、道の駅「うすずみ桜の里・ねお」に併設されています。時刻は15:25。温見峠から約1時間かかりました。
国道・酷道ファンは1人で走るべきもの。無関心の人がいると、写真を撮りたくても車を停めるのも気を使いますし、迷惑をかけてしまいます。
16:25温泉出発、近くの「淡墨桜」に向かいます。
樹齢1500年、幹の老化で空洞が広がりつつあり、樹木医や地元の人の手厚い看護によって守られていますが、何本もの支えによって姿勢が保たれている姿は、哀れでもあり、頑張れよ!と励ましたくもなります。
福井県側から帰ると道路も単純ですが、岐阜県側は距離は50キロほど短いですが経路が複雑で、時間がかかります。
東海環状大垣西ICにたどり着くまで渋滞もあり、結構イライラしましたが、名神の渋滞もなく、三木SAで食事をとり、20:50無事姫路東ICをおりました。
気になっていたR157の「落ちたら死ぬ」区間の8年間の通行止解除と、実地走行が出来て今回の能郷白山登山は満足でした。
[本日のデーター]
山陽姫路東IC 5:10(山陽・中国 ・北陸道)福井IC⇒R156⇒R157温見峠9:25
温見峠登山口出発9:40→能郷白山三角点11:40→祠のあるピーク11:50~12:40→三角点12:50→
登山口14:10
出発14:30⇒R157⇒県道23⇒R21⇒大垣西IC(東海環状・名神・中国・山陽)姫路東IC20:50
(走行距離 約700キロ 歩行距離 約5.6キロ 累積標高差 約650m)