みちくさおじさん山を歩く

No181 西播磨・船越山は林道歩き

船越山 (727.2m)  兵庫・佐用町 2011・11・30(水) 天気・くもり後小雨 メンバー・単独
 




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兵庫県西部の佐用町には、岡山県境の日名倉山(1047.4)を除くと高い山がなく、次が郷鴫山(784)で三番目が船越山(727.2)である。
この二つの未登の700m級の山は、前々から登る予定にしていたが、なかなかチャンスがなかった山である。
その二座のうち、昨日、ふと船越山に登る気になった。ついでに時間があれば日名倉まで廻ってもいい。
日名倉は、ベルビール自然公園として整備されてからはすっかり興味がなくなってしまった山で、平成11年以来の記録が残っていない。

8:20 自宅を出発、山崎から千種町に入り、県道72を北上。地形図の七野あたりで左へ千種川を渡り、南から南西に走り、人家の切れた頃、ゲートが現れる。
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11月15日より3月15日まで狩猟シーズンにつき、目立つ服装を・・・の注意書きがある。
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カラフルな色彩の持ち合わせはないが、今日は狩猟もお休みだろう。
簡易舗装された林道を進む。林道西谷支線の標柱がある。どんどん進むと、開いてはいるが工事用のゲートがある。
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9:50 ちょうど左に退避所のようなふくらみがあるので、通行の支障のならないように路上に駐車する。
高度計では480mあたりだ。
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10:00 出発。林道は次第に荒れてきて、その先に滝のよなものが見える。あれは?
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崩壊現場だ。路上を流れてきた水が、勢いよく谷に落下している。路肩が削り落とされ、その上のコンクリート舗装面だけが宙に浮いている。これを復旧させるには、相当の費用と時間がかかるだろう。
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駐車地点から500mほど坂を登ると二股に着いた。右は奥海(おねみ)越から日名倉山に行く道で、どこまでかわかないが舗装されている。
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船越山は左の道だが、兵庫県森と緑の公社の看板が立つ。
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比較的きれいな道路だが
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こんな所もある。
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10:25 広い千合地峠に着いた。左が船越山、正面を下ると奥海集落、右の白いポールの間が奥海越から日名倉山方面に林道が延びている。
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船越山方面の林道に入る。地形図には載っていない広い道だ。このまま山頂に登ってしまうのだろうか?
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等高線に沿うように船越山に延びる尾根の右側を巻いて進む。
緩い登りだったが、690mあたりまでくると下りはじめ、西に方向を変えると平らな丘のような地形に向かいだした。おかしいぞ!
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千合地峠に設置されていたような道標があるものとばかり思って、のんびり歩いていたが、地形図を見ると行き過で、すぐ後ろのピークが船越山のようだ。
ただ地形図にないこの林道、この丘の先どちらに向かうのか見てみたい気もする。
Uターンすると林道沿いの木にピンクのテープが巻かれている。登山用か、林業関係か、あるいは地籍調査用か、いずれにせよここが傾斜も緩く入りやすそうだ。
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しかし杉木立の中に踏み跡は見当たらないので、木の間を縫って適当に登って行く。
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次第に荒れてきて倒木が多くなってきた。右に左に、歩きやすそうな所を選んで進む。
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意外と手こずったが、ようやく頂上らしき標柱が見えてきた。
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最後の倒木を乗り越え、11:05 船越山頂上に着いた。頂上は荒れた感じがする。
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片側に獣除けネットが張ってあるが、倒木で支柱は倒され用をなしてない。
[兵庫県森と緑の公社]のくらしを支える森ずくりの事業 の看板が転がっている。
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そういえば下に同公社の「関係者以外の車両の通行禁止」の看板があった事を思い出す。
この荒れたままの頂上と倒れたままの看板を見ると、全ての事業を放棄したのかな?と思ってしまう。
同公社は赤穂の黒鉄山をきれいに整備されていたが、後の管理は自治体に任せているのだろうか・・・

身近で船越山に登った、と言う話は聞いた事がない。多分特徴のない見晴らしが効かない山を想像していたが、南と西方向は樹木が邪魔をしているものの、北・東方面は伐採されて素晴らしい展望だ。ただモヤっている上に雨近しか、黒い雲が低い。
北東方面にぼんやりと植松山が見える。手前は四等三角点西谷の740.2mピーク。
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北方は右から日名倉山の三ノ丸・二の丸・一の丸と行儀よくに並んで見える。その後方の後山と三室山は肉眼でかろうじて確認できる程度の視界だ。写真では確認できないが、東方面にひときは高い山がモヤの中に浮かんでいる。位置からすれば黒尾山のようだ。
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山頂は灌木、倒木、雑草などで御覧のようにとっても狭い。整備すればかなり広いのだが・・・三角点は三等で点名は船越山。
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倒木に腰を下ろし、昼食にする。自作のおにぎりにカレーうどんだ。
ガスの災の音以外は全くの静寂の世界。たまにはこんな孤独もいいものだ。

食後コーヒーをいただきながら地形図を見る。ここから日名倉山までざっと5キロある。
あまりのんびりもしておられないな、と腰を上げようとした時、ポツポツと雨が落ちてきた。
12:00 荷物をまとめて下山にかかる。南から登ってきたが、帰りは獣除けネットに沿って北に下る。
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いくらも進まないうちに踏み跡は、歩いてきた林道に出てしまった。ここに何かの目印があれば、遠回りしなくてもよかったのに・・・途中で拾っておいたテープをそばの松の枝に巻いておく。
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雨はやんだが、いつ降ってもおかしくない空模様だ。無理をして日名倉まで行くこともあるまい。

ただ確認したい事がある。東から走ってきた送電線が、奥海越の南797の標高点近くでプッツリ切れている謎だ。(地形図参照)
単なる国土地理院の記入ミスか、それともここから先は地中に潜らせたのか・・・まさか!
しかもこの送電線、2キロ先で再び地形図に復活している。地形図から消えた2キロの空白。
途中分岐しているが、兵庫神河町の長谷ダムの大河内水力発電所からの送電線である。

画像が悪いが、日名倉山三の丸、二の丸手前に写ってっている気になる送電線。後山がボンヤリ写っている。
尚、日名倉山と言えば昔は有人の山小屋があったのだが、車社会に入ってから泊る人がなくなり、閉鎖されてしまった。
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千合地峠に戻ってきた。幸い小雨はやんでいる。直進が日名倉方面で、右が駐車地点に戻る道。左手前に下ると瑠璃寺方面になる。
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立ち止まって思案する。いつ降り出すかわからないので、日名倉は無理としても途中の奥海越手前の送電線だけでも確認するか、それともまたの機会にして車に帰るか・・・
地形図を見つめていると、すぐ東に740.2mの三角点が目についた。
頂上から植松山を眺めた時、その手前に見えていたピークだ。ここから1キロもない距離なので、三角点だけでも踏んで帰ろうか、に予定変更し、南東に延びる尾根に取りついた。
踏み跡がないので適当に登るが、こりゃあ大変だ。
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南東から東に方向転換、一度下ってあの植林に入るようだが、倒木が横たわっている。
ここでまた雨が降り出した。こんな所で雨に降られると、えらいこっちゃ!退散だ。
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倒木、イバラと戦い、再び千合地峠に降りてきた。今度はいさぎよく帰ろう、とふと右を見ると、杉の木に巻かれたテープの先に踏跡らしきものを発見。
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私は尾根を登ったが、この踏跡らしきものは尾根を巻いて三角点に向かうのかもわからない。
小雨が気になるが、まだ雨具がなくても歩けそうだ。よ~し、行ってみるか。
ところが少し進んだところで雨が少し強くなってきた。雑草でズボンはかなり濡れてきた。
これは引き返せという事だな、と諦めて峠に向かってUターン。
うろうろと25分費やしたが、傘をさして今度は下山だ。
林道崩壊個所に戻ってきた。路面を激しく流れる水。大雨が降れば全面崩落しそうだ。
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13:05 車に戻ってきた。幸い雨はやんだようだ。全身ホコリと雨に打たれ気持ちが悪い。
13:30 すぐ近くの[ちくさ・エーガイヤ温泉]に走る。
13:40 温泉に着く。ここは特別安く、割引き年齢につき¥200。こんな安い温泉は他にあるまい。
平日のこの時間、近所のお年寄りの集会場のようで、そこそこ賑わっている。温泉を出ると、雨は本降りとなっていた。
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今日は大部分が林道歩きで不完全燃焼だったが、気になっていた山の一つを登ることが出来たので、良しとしよう。

[ 参考データー]

自宅8:20⇒R29⇒山崎より県道23・72⇒千種町七曜より左折、林道西谷線・駐車9:50
出発10:00→ 千合地峠10:25~10:30→道間違いUターン10:50→船越山11:05~12:00→千合地峠12:20~(ウロウロ)12:45⇒駐車地点13:05
13:30出発⇒温泉13:40~14:20⇒県道72・53⇒R29⇒自宅15:50

(走行距離 約120キロ  歩行距離 約5キロ  累積標高差 約340m)
by hotaka443 | 2011-11-30 20:49 | Comments(0)