雪山のリベンジだ・岡山三ケ上
過去何度も登っている三ケ上だが、最近では2月の雪山からなので、7ケ月ぶりになる。
あの時はどこかの雪山を歩きたい、とおっしゃるサントリーのI・T・Kさんの3人を案内して登ったが、トレースのない新雪の急登で3人ともダウン。今日は雪山の記憶をたどっての登山だ。
播但道砥堀ICを6:45に入り、中国道院庄ICを降りてR179を北上。奥津湖北端の、1週間前にきた富栄山への分岐を見送り、旧上斎原役場(上斎原振興センター)手前の信号を右折、寺ケ原の集落を越え細い道を山の中に入って行く。
冬季除雪の最終地点、最後の民家を通り、登山口の標識の少し先まで乗り入れる。
今年2月の同じ場所の標識。たっぷりと1m以上の積雪で、実際は三ケ上の文字も埋まっていたが、写真撮影のため取りのぞいたのだ。
標識から少し登った所の小広場に駐車、時刻は8:20だ。積雪期はR179の旧役場の駐車場に車を停めさせていただき、ここまで約1.8キロを40~50分かけて登ってくるのだが、車ではわずか5分ほどだ。
8:30準備を済ませて出発。おおむね気持ちのいい自然林を歩く。
8:55水場の看板で道は鋭角に曲がり少し急な登りになる。
朽ちて落下して草むらに沈んでいた、頂上へ1.0kmの看板を拾い上げる。誰かが黒マジックで書き直している。元の距離は1.6kmではなかったかな?
冬はこのあたりまで登った?と彼女達。景色が全く違うのよくわからない。
しばらくして山頂へ500mを通過。
やがて唯一のロープが設置された急登にさしかかる。
ひと登りで樹林帯を抜け、背の低い灌木に変わる。冬季はこのあたりから上は一面雪原になる。
頂上の白い標柱が見えてきた。
三ケ上最高峰に着いた。天正元年に祀られた役行者石像が鎮座している。
正面から見る石像の表情、といってもこの写真ではわからないな。
西の空には人形仙、すずのこ平、霧ケ峰、森林公園などの山並みが続き、それらに抱かれるような黄色く染まった稲田の中に、上斎原の集落が・・・あいにく大山は今日は見えないようだ。
北方には三国山から伯州山に続く県境尾根が延々と続く。
東方、写真中央奥には岡山の標高No4の花知ケ山が、手前左右には1121mの山二つが行儀よく並んでいる。右は妹山、左は無名峰。
遮るものがない360度の大展望。南側は、中央の一番高い山が泉山。
[ちなみに岡山の標高順ベスト10は、後山・駒の尾・那岐山・花知ケ山・毛無山・三国山・泉ケ山・富栄山・上蒜山・滝山の順]
すぐ南にはこちらより30mばかり低い三角点のピークがある。
本峰南斜面には巨岩が点在、北側とは全く異なった山容をしている。
巨岩の中には不動明王の石像が 中央大岩の裏に祀ってある。こちらの石像は天正4年だ。
ザックを置いて南の三角点ピークに向かい、本峰を振り返る。端正な美しい山容だ。
南方面を見下ろすと、区画整理された田に収穫間近の穂が垂れている。カーブを描いているのはR179。
ピークは西の端の一段低い所に三等三角点下斎原があるが、お腹がすいたので途中まで行って引き返す。
そして巨岩の陰で10:20とまだ早いが、食事にする。
11:40 ゆっくりくつろいだあと、下山にかかる。北方山の中腹の白い建物は、かってウラン採掘が行われていた人形峠で、今は日本原子力機構・人形峠環境技術センターの建物である。
1955年にウラン鉱床が発見され、2001年の閉山までに採掘されたウラン鉱石は約9トン。
濃縮されて取り出されたウランは約84トン。これがどれくらいか見当がつかないが、ウラン採鉱で生じた残土はレンガに加工され、2010年までに145万個製造、各地で花壇や歩道整備に使われているそうな。
途中で本日始めての登山者、年配の男性とすれ違う。
ススキがもう山は秋だよ、と囁いているようだ。
12:30駐車地点に戻ってきた。先ほどの単独行のおじさんの車が止まっている。
さあ、次は温泉行。国道を渡った向こう側にある「上斎原温泉・このか」だ。隣の国民宿舎に併設されている建物になる。
本日は男湯も女湯も他のお客さんゼロで貸し切りだ。
駐車場から見る三ケ上。左のピーク。
こんなとこ通った?ここ覚えている、と記憶をたどっての7ケ月ぶりの三ケ上に大満足の様子。
展望の素晴らしさもこの山ならでのもの。雪山でまた訪れたいものだ。
(参考データー)
播但道砥堀IC6:45(播但道・中国道)院庄IC⇒R179⇒上斎原振興センター手前の信号右折登山口8:20
出発8:30→水場の看板8:55→頂上9:50~(三角点のピーク)~11:40→登山口12:30
出発12:40⇒温泉このか12:50~14:05⇒みちくさしながら帰る。
[走行距離 約280キロ 歩行距離 約5キロ 累積標高差 約500m]